ECのLINEとメルマガはどう使い分ける?僕がLINE自動配信ツールを使わない理由 今回は、サロンメンバーからいただいた「LINEとメルマガは、どう使い分ければいいですか?」という質問について話していきます。 LINEもメルマガも、ECを運営していると非常に重要な顧客接点です。 ただ、「LINEでは何を送るべき?」「同じ内容をメルマガでも送ったらしつこい?」「Lステップなどを入れて自動化した方がいい?」と、運用方法に悩んでいる人も多いと思います。 僕自身、三浦拓哉商店やひとりECの運営でLINEとメルマガの両方を使っていますが、それぞれには明確に得意なことがあります。 僕の中では、 LINE=通知+1対1のコミュニケーション メルマガ=情報伝達 という使い分けが基本です。 そして、もうひとつ今回強く伝えたいのが、規模がまだ大きくないECであれば、最初からLINEの自動化を頑張りすぎなくてもいいということです。 なぜそう考えているのか。順番に説明していきます。 大前提、お客様は僕たちの発信をそんなに見ていない まず最初に、LINEとメルマガの使い分け以前に持っておいてほしい前提があります。 それは、 お客様は、ECブランドが発信している情報を僕たちが思っているほど見ていない ということです。 LINEをたくさん送ったらブロックされるんじゃないか。 メルマガを何度も送ったら嫌われるんじゃないか。 そう考えて、配信を控えている人は結構多いと思います。 もちろん、あまりにも大量の通知が来れば鬱陶しいと思われますし、LINEならブロックされることもあります。 ただ、僕がサロンメンバーと話していて感じるのは、 「ブロックされるほど、そもそも配信していますか?」 ということです。 僕は「ひとりEC」の集客でも公式LINEを使っています。 サロンメンバーと、まだサロンに入っていない人でセグメントを分けているのですが、以前、サロンに入っていない人たちへ1日2回程度のLINEを3〜4日ほど続けて送ったことがあります。 当然、一定数は減ります。 でも、思っているほど大きくは減りませんでした。 これは僕自身の運用経験から感じていることですが、今はLINE自体の通知が多すぎて、ユーザーもすべてのメッセージを丁寧に読んでいるわけではありません。 僕たち自身もそうですよね。 LINEを開いて、一括で既読にしたり、内容をほとんど見ないまま流したりすることがあると思います。 だから、 「LINEで一度送ったから、メルマガでは送らなくていい」 「今週LINEを送ったから、これ以上はしつこいかも」 と考えすぎる必要はありません。 むしろ、週1回程度しか発信していないのであれば、使い分けを細かく考える前に、まず発信量を増やして反応を検証した方がいいケースも多いと思っています。 LINEもメルマガも「顧客接点」である そもそもLINEとメルマガとは何なのか。 僕はどちらも、お客様と自分たちをつなぐ「媒体」だと考えています。 つまり、 LINEもメルマガも顧客接点です。 そのうえで、それぞれの媒体が持っている能力を考えると、使い分けが分かりやすくなります。 僕は大きく、 「通知する能力」 「情報を伝える能力」 の2つに分けて考えています。 例えば、 「今日からキャンペーンを開催します!」 というバナーを配信するとします。 LINEとメルマガのどちらが、ユーザーの注意を引きやすいでしょうか。 これはLINEだと思います。 スマホに通知が出て、普段使っているLINEの中にメッセージが届く。 LINEはアテンションを取る能力が非常に強い媒体です。 一方で、ブランドについて長い文章を読んでもらったり、考え方をじっくり伝えたりする場合はどうでしょうか。 これはメルマガの方が向いています。 つまり、 通知力ならLINE。情報伝達力ならメルマガ。 まずはこの違いを理解しておくと、使い分けを考えやすくなります。 LINEの一番の強みは「1対1で話せること」 LINEにはもうひとつ、非常に大きな特徴があります。 それが、 1対1のコミュニケーションが取りやすいことです。 僕は三浦拓哉商店でも、この機能をかなり重視しています。 LINEというと、 「セール情報を一斉配信するもの」 「クーポンを送るもの」 「新商品を通知するもの」 というイメージを持っている人も多いと思います。 もちろん、それも正しい使い方です。 ただ、僕はLINEをそれ以上に、 コミュニケーションのメディア だと考えています。 ECをやっている人は、 「お客様にリピートしてもらいたい」 「ブランドを信頼してもらいたい」 「もっとファンになってほしい」 と言います。 では、そのために何が必要なのか。 僕はコミュニケーションだと思っています。 そしてオンラインで、ブランドとお客様が1対1で簡単にコミュニケーションできる場所がLINEです。 だったら、その特徴をもっと使った方がいい。 セール情報ばかりでは「会話」は生まれない ここで一度、自分たちが普段送っているLINEを見返してみてください。 新商品のお知らせ。 キャンペーンのお知らせ。 クーポンのお知らせ。 セールのお知らせ。 こうした一方通行の配信ばかりになっていないでしょうか。 LINEをコミュニケーションのメディアとして使うのであれば、 「どうしたらお客様から返信してもらえるか?」 まで考える必要があります。 例えば、一斉配信でも一人のお客様に話しかけるように文章を書く。 質問を投げかける。 商品の使い方について聞いてみる。 困っていることがないか聞いてみる。 そうすると、向こうからレスポンスが返ってきます。 そこから1対1で会話を続ければいいんです。 僕は三浦拓哉商店でも、このやり取りを非常に大切にしています。 LINEで会話をして、お客様とのエンゲージメントを高める。 そのうえで月に1回、あるいはセグメントによって月2〜3回程度、一斉配信で商品を案内する。 そんな使い方をしています。 メルマガは「知っておいてほしいこと」を伝える 一方、メルマガの強みは情報伝達です。 単純な話ですが、長い文章を読むのであればLINEよりメールの方が読みやすいですよね。 LINEで長文が何個も届くと、読む側としても結構大変です。 しかもLINEの場合、バナーやリンクを送ったとしても、そこからクリックしてもらうというアクションが必要になることがあります。 一方、メールなら開封した時点で文章が目に入ります。 例えば1,000人に送って開封率が50%なら、単純計算で500人が内容に触れる可能性があります。 何かをクリックしてもらうほどではない。 今すぐ商品を買ってもらわなくてもいい。 でも、 「僕たちはこういう考え方で商品を作っています」 「健康について、僕はこう考えています」 「ダイエットについて、こう思っています」 「ブランドとして、こうありたいと思っています」 といったことを知ってほしい。 こういう情報はメルマガと非常に相性がいいと思っています。 実際、僕がメルマガで考え方を発信すると、それを読んだお客様からLINEで、 「今日のメルマガ面白かったです」 と連絡をもらうこともあります。 メルマガで情報を伝え、LINEでコミュニケーションが生まれる。 こうやって顧客接点を循環させることもできます。 「LINEで送ったからメルマガでは送らない」は考えなくていい LINEとメルマガは使い分けた方がいい。 ただし、ここで勘違いしてほしくないのが、 同じテーマを両方で扱ってはいけないわけではない ということです。 例えばセールやキャンペーンなら、LINEでもメルマガでも送っていいと思います。 なぜなら先ほど話したように、そもそも全員が両方を見ているわけではないからです。 LINEでキャンペーンを通知する。 メルマガでは、そのキャンペーンを開催した背景や商品の詳しい説明をする。 同じテーマでも、媒体の特徴に合わせて伝え方を変えればいいんです。 自分たちの発信が全部読まれていると思ってしまうと、 「LINEで言ったからメールでは言わないでおこう」 となります。 でも、実際にはそこまで見られていません。 これは厳しい話ですが、ECやブランドのコミュニケーションは、 「そもそも自分たちには、それほど興味を持たれていない」 というところから始めた方がいいと思っています。 Instagramもメルマガも「投稿した=見られた」ではない これはLINEやメルマガに限った話ではありません。 Instagramに投稿した。 でも「いいね」がつかない。 なぜだろう? 単純に、見られていない可能性もあります。 あるいは、見る価値をまだ作れていない可能性もあります。 僕自身、メルマガを1日2回送ることもありますし、SNSもかなり発信します。 他の売れているEC事業者を見ても、メルマガを週4〜5回送っているところや、毎日送っているところも普通にあります。 だから、発信頻度が少ない段階から、 「嫌われたらどうしよう」 「配信しすぎかもしれない」 と心配しすぎなくてもいいと思います。 まず発信する。 反応を見る。 本当にブロックが大幅に増えたのであれば、そのとき調整する。 そのくらいでいいと思っています。 僕がLステップやL Messageの導入に慎重な理由 ここからはLINEの自動配信ツールについてです。 LステップやL Messageなど、公式LINEと連携してセグメント配信やステップ配信などができるツールがあります。 もちろん、これらのツール自体を否定しているわけではありません。 使いこなせる人にとっては非常に便利です。 ただ、少なくとも「ひとりEC」のサロンメンバーのような、まだそれほど規模の大きくないEC事業者が、 最初から自動化ありきで導入することについては、僕はかなり慎重です。 例えばLINEの友だちが1,000人、2,000人くらいの段階で細かくセグメントを切っていく。 すると、あるセグメントには5人しかいない、10人しかいない、といったことも起こります。 そこへ完璧に設計した配信をして、本当に売上へ大きなインパクトを作れるでしょうか。 それよりも、その1,000人、2,000人とどうコミュニケーションを取るかを考えた方がいいケースも多いと思っています。 「売れる方法」が分からないのに自動化しても売れない 僕が一番違和感を持つのが、 「自動化すれば売れる」という考え方です。 本来、自動化とは、 自分でやってみた。 売れた。 このやり方なら売れることが分かった。 でも件数が増えて、自分では対応しきれなくなった。 だから機械に任せよう。 という順番だと思っています。 つまり、 成功法則を見つけてから、それを自動化する。 これが本来の順番です。 ところが実際には、 ECを立ち上げました。 まだLINE経由でどういうお客様が、どういう会話をすると買ってくれるのか分かりません。 でも自動化ツールを入れます。 ステップ配信を組みます。 というケースがあります。 僕はこれだと、かなり難しいと思っています。 だって、 何が売れるのか分からないものを自動化している からです。 一般的な成功パターンを当てはめれば、自分たちの商品も売れる。 そんな簡単なものではありません。 ツールを入れたことで、逆に面倒になっていないか さらに、自動化ツールを導入することで運用自体が面倒になるケースもあります。 公式LINEだけなら、スマホを開いてそのままお客様へ返信できます。 ところが外部ツールを使うことで、パソコンのブラウザを立ち上げて返信しなければならない。 設定も必要になる。 配信通数の扱いも変わる場合がある。 便利になるために導入したはずなのに、 「前より運用が大変になった」 ということが起こります。 実際、僕がEC家庭教師として関わっている事業者でも、 「Lステップを導入しています」 「L Messageを使っています」 という人がいます。 話を聞いてみると、お客様への個別対応までそのツール経由でやっている。 そこで、 「それ、公式LINEで直接返した方が楽じゃないですか?」 と伝えて、ツールをやめてもらったことがあります。 その後どうだったか聞くと、 「めちゃくちゃ楽になりました」 というケースもありました。 もちろん、全員がそうなるわけではありません。 重要なのは、 ツールを導入すること自体を目的にしないことです。 小規模ECだからこそ「人間が返してくれる」が武器になる 大手企業と小規模ECでは、取るべき戦略も違います。 僕が話しているのは、ある意味「弱者の戦略」です。 大企業なら大量の顧客がいるので、一人ひとりに個別対応するのは難しい。 だからセグメントを切って、自動化して、効率的にコミュニケーションを取る必要があります。 でも、小規模ECは違います。 LINEを送ったら、本当に運営者本人から返事が来る。 商品の相談をしたら、人間がちゃんと答えてくれる。 これ自体が差別化になります。 しかも僕たちEC事業者が販売しているのは、数千円程度の商品が中心です。 例えば50万円の商品なら、1件売れれば50万円です。 でも5,000円の商品で50万円を売ろうと思えば100件必要です。 つまり、低単価の物販では多くのお客様に買ってもらう必要があり、そのためには接触回数も反応率も重要になります。 そんなとき、 「明らかに自動配信だな」 と感じるメッセージと、 「自分に向けて、人間がちゃんと返事をしてくれている」 と感じるメッセージ。 どちらの方が心が動くでしょうか。 小規模ECなら、後者を武器にできると思っています。 商売の基本は、結局「手売り」 インターネットには大きなメリットがあります。 自動化できる。 データを取れる。 顧客ごとに分析できる。 これは間違いなく素晴らしいことです。 ただし、インターネットそのものに商品を売る力があるわけではありません。 AIも同じです。 AIでステップメールを作ったから売れる。 自動配信システムを導入したから売れる。 そんなことはありません。 そもそも商売の基本は「手売り」です。 お客様と話す。 何に困っているのか聞く。 商品のことを説明する。 相手の反応を見る。 そして買ってもらう。 昔から商売でやってきたことをオンライン上で再現し、それを効率化できるのがインターネットです。 だから、 手売りで売れる方法が分からないのに、自動化だけ先に進めても仕方がない。 まず自分でお客様とコミュニケーションを取ってみる。 どういう質問が来るのか。 どう答えると喜んでもらえるのか。 どんな会話の後に商品を買ってくれるのか。 それを繰り返しているうちに、 「この流れは結構うまくいくな」 という成功法則が見えてきます。 そこで初めて、 「じゃあ、この部分は自動化しよう」 と考えればいいんです。 LINEでは、もっとお客様と会話をしよう 今回の話をまとめると、LINEとメルマガはどちらか一方を選ぶものではありません。 それぞれの特徴を理解して使えばいいと思っています。 LINEは通知力が強く、1対1のコミュニケーションが取りやすい。 だからキャンペーンやセールのお知らせにも使えるし、それ以上に、お客様との会話を増やす場所として使ってほしい。 一方、メルマガは情報伝達に向いています。 商品の背景やブランドの考え方、自分たちが大切にしていることなど、「今すぐ行動してもらわなくてもいいけれど、知っておいてほしいこと」を伝える。 この2つを組み合わせればいいと思います。 そして、規模がまだ大きくないECであれば、最初から高度な自動化を目指す必要はありません。 自動化する前に、まず手動でやる。 お客様と直接話す。 そこで売れるパターンを見つける。 手が回らなくなってから、その成功法則を自動化する。 この順番が大切です。 小規模ECにとって、運営者自身がお客様と直接コミュニケーションできることは弱みではありません。 むしろ、大企業には真似しづらい大きな強みです。 LINEを単なる「配信ツール」にしてしまうのではなく、お客様との距離を縮めるコミュニケーションツールとして使ってみてください。 そこから得られるお客様の反応や会話そのものが、売れる仕組みを作っていくための重要なヒントになると思います。 音声はこちら▶︎