EC事業者のAI活用法。三浦が使っているChatGPT・Gemini・Omneky・Shopify Sidekickの使い分け AIのサービスが次々と登場して、「結局どのAIを使えばいいの?」と思っているEC事業者も多いと思います。 僕自身もEC運営ではかなりAIを使っていて、感覚としては1日3〜4時間くらいAIに触れています。 ただ、いろいろなAIを片っ端から使っているわけではありません。 現在、僕がメインで使っているのは、 ・ChatGPT ・Gemini ・Omneky ・Shopify Sidekick この4つです。 Claudeなども使ってみましたが、現在は解約しています。 今回は「どのAIが一番すごいのか」という話ではなく、僕がEC運営の中でそれぞれを何に使っているのか、そしてAIを使ううえで何を大事にしているのかについて整理してみます。 ChatGPTはテキストと画像制作に使う EC運営でお客様に届けるものを大きく分けると、「テキスト」「画像」「動画」があります。 この中で、僕がChatGPTを一番使っているのはテキストと画像です。 例えば、 「こういう内容のブログを書きたい」「この内容をメルマガにしたい」「こんな訴求の画像を作りたい」 といったことをChatGPTに伝えて、文章を肉付けしてもらったり、画像を作ってもらったりしています。 最近はLINEで配信する画像などもChatGPTで作っていますし、画像制作についてはCanvaを使う機会もかなり減りました。 僕がAIを使うときに重視しているのは、ものすごく緻密なプロンプトを書かなくても、ある程度こちらの意図を理解して良いアウトプットを返してくれることです。 もちろん細かく指示すれば精度は上がります。 ただ、日々のEC運営で毎回プロンプトを作り込むのも大変です。 多少雑にお願いしても、自分が欲しいところまで持っていきやすい。その点では、現状ChatGPTが一番使いやすいと感じています。 Geminiは数字の分析とYouTubeの要約 一方、Geminiは主に数字の分析に使っています。 例えばECのデータを見ながら、 「この数字をこういう切り口で分析してほしい」「このデータからこういうテーブルを作ってほしい」 と依頼するといった使い方です。 特に僕が便利だと感じているのは、Googleスプレッドシートとの相性です。 分析したものをそのままスプレッドシートで扱いたいときには使いやすいので、数字を扱う仕事ではGeminiを選ぶことが多くなっています。 もう一つ使っているのがYouTubeの要約です。 長い動画から必要な情報を拾いたい場合などはGeminiに任せています。 以前はClaudeなども使っていましたが、CSSの調整などもGeminiでできるので、「自分にはこれで十分だな」と判断してClaudeは解約しました。 ここも大事なポイントです。 新しいAIが登場するたびに全部使う必要はありません。 自分が必要としている仕事が今のツールでできているなら、それでいいと思っています。 Omnekyは広告バナーを「量産」するために使う EC事業者に特におすすめしたいのがOmnekyです。 ChatGPTでも広告バナーは作れます。 むしろ1枚のクリエイティブの完成度だけを比較すれば、僕はChatGPTの方が高いと感じることもあります。 それでもOmnekyを使う理由は、圧倒的に「量産しやすい」からです。 EC広告では、1本の素晴らしいバナーを時間をかけて作ること以上に、大量のクリエイティブを作って試すことが重要になるケースがあります。 ChatGPTで1枚ずつ作っていると、それなりに時間がかかります。 Omnekyなら文言などを変えながら次々と作れるので、30分で大量のバナーを作るような運用ができます。 予算の小さい会社でも、広告で売れる商品を作っていきたいのであれば、月50本くらいのバナーを試してもいいと僕は思っています。 なぜ、それほど大量に作るのか。 理由は「売れる言葉」を見つけるためです。 ECで突き抜けるためには「売れる言葉」を見つける 最近、いろいろなEC事業者を見ながら強く感じていることがあります。 EC運営の実務能力がすごく高い人がいます。 やるべきことをちゃんとやっている。 コンテンツも作っている。 画像も動画も作れる。 広告も運用できる。 それなのに、なぜか売上が突き抜けない。 「これだけちゃんとできているのに、なんでだろう?」 と考えていて、最近一つ気づいたことがあります。 売れるオペレーションはできているけれど、「売れる言葉」を見つけられていない。 ここが大きいんじゃないかと思っています。 例えば広告を出したとき、多くの人はCPAやROASを見ます。 「CPAが良かったから残そう」「CPAが悪かったから止めよう」 もちろん、それ自体は間違っていません。 でも、そこで終わってしまうと「売れる言葉」が蓄積されません。 例えばA・B・C・Dという4種類のバナーを出したとします。 Aはクリック率が良かったけれどCPAはいまひとつだった。 Bはクリック率は普通だけれど購入率が高かった。 Cのコピーには特定のお客様が強く反応した。 だったら、 「なぜAはクリックされたんだろう?」「Bのどの言葉が購入につながったんだろう?」「Cの訴求を別の表現にしたらどうなる?」 と考えて、次の広告を作る。 売れているEC事業者には、この「言葉を研究する癖」があります。 単純に広告を出して、数字が良い・悪いで判断するだけではありません。 「何が刺さったのか?」をずっと探しています。 広告クリエイティブは「宝探し」に近い だから僕は、広告クリエイティブを作る作業はある意味で宝探しだと思っています。 10個試して、1個当たればいい。 9個失敗しても、その1個が大きく売れれば成立します。 ただ、以前の僕はバナーを作ること自体が本当に嫌いでした。 テキストの位置を調整して、フォントを選んで、サイズを変更して……。 そういう細かい作業が嫌で、静止画広告をあまり積極的にやっていなかった時期もあります。 ところがOmnekyを使うようになって、この作業負担が一気に減りました。 すると、言葉を考えることに集中できます。 コピーを変える。 出してみる。 数字を見る。 また変える。 この試行錯誤を大量に回せるようになると、「当たりの言葉」を探す作業自体が面白くなります。 AIによって広告を作ってもらうことが目的ではありません。 AIによって試行錯誤の回数を増やし、売れる言葉を見つける。 ここに大きな価値があります。 Shopify SidekickはEC分析とサイト構築に使う もう一つ、Shopifyを使っているEC事業者なら活用できるのがShopify Sidekickです。 僕は大きく2つの用途で使っています。 一つ目はECの分析です。 例えば、 「LTVはいくらなのか」「直近3ヶ月以内に購入した人のうち、2回以上購入している人はどれくらいいるのか」 といった売上や顧客に関する分析を依頼します。 もう一つはShopifyサイトの構築です。 Shopifyではテーマエディターからセクションやブロックを追加してサイトを作っていきますが、最近はSidekickに「こういうセクションを作ってほしい」と伝えて作ってもらうこともあります。 ECのデータとサイトそのものを扱えるという意味では、Shopifyを使っている人にとって非常に相性の良いAIだと思います。 「AIだったら何がいいですか?」から考えない ここまで4つのAIを紹介しましたが、僕が一番伝えたいのはここからです。 最近、 「このAIサービスってどう思いますか?」「○○と△△だったらどちらがいいですか?」 と聞かれることがあります。 でも僕からすると、その質問だけでは答えようがありません。 「そのAIを使って何がしたいの?」 という話だからです。 AIを使うこと自体が目的になってはいけません。 AIが何かすごいことをして、自分のビジネスに勝手にリターンをもたらしてくれるわけではない。 自分が何をしたいのか。 何に時間がかかっているのか。 どこを効率化したいのか。 何を増やせば売上につながるのか。 それが先です。 そのうえで、 「ここはChatGPTがいい」「ここはGeminiが便利」「大量に広告を作るならOmneky」「Shopifyの分析ならSidekick」 とツールを選べばいい。 主語はAIではなく、自分のビジネスです。 新しいAIを追いかけ続ける必要はない 新しいAIが出ると話題になります。 「革命的な機能が出た」「こんなことまで自動化できるようになった」 と言われると、試したくなる気持ちは分かります。 僕も試します。 ただ、試してみて必要ないと思ったらすぐやめます。 例えば僕の場合、Claudeも使ってみました。 でも、自分がやりたいことはChatGPTやGeminiで十分できる。 だったら増やす必要はない。 AIが管理画面に入って仕事を代行してくれるような機能についても、何でも自動化すればいいとは思っていません。 例えば意図しないメルマガを配信してしまうようなことがあれば困ります。 だったら、ある程度は人間が介在した方がいい。 「できるから使う」ではなく、 「自分に必要だから使う」 という判断が大切です。 僕がひとりECでも比較的ホワイトに働けている理由 この話をしていて、AIとは少し違いますが、自分の働き方について気づいたことがあります。 以前、 「三浦はひとりで年商1億円規模をやっているのに、働き方はかなりホワイトですよね」 と言われました。 確かに、サラリーマン時代と比べると今の方が圧倒的に働き方はホワイトです。 それなのに、結果は今の方が出ています。 なぜだろうと考えてみたら、一つ大きな理由がありました。 やらないことを決めるスピードがめちゃくちゃ速い。 これだと思います。 新しいものを試す。 「これは違うな」と思ったらやめる。 やってみて成果が出たら、「ここは重要だから続けよう」と決める。 そこにリソースを使うために、別の仕事をやめる。 こうやって、やることとやらないことをどんどん明確にしています。 実際、僕は「やろう」と決めたことより「やらない」と決めたことの方が圧倒的に多いと思います。 AIもまったく同じです。 便利そうだから全部使う必要はありません。 自分にとって必要なのかを判断する。 必要なら使い込む。 必要なければ捨てる。 この判断を早くすることが、ひとりECでは特に重要だと思います。 AIの「使いこなし」より、AIを使って結果を出せるか 僕自身、世の中のAIマニアと比べたら、AIそのものをものすごく使いこなしているわけではないと思います。 知らない機能もたくさんあります。 でも、AIを使ったことで自分の仕事を前に進めたり、ECの結果につなげたりするという意味では、それなりに活用できていると思っています。 大事なのはどちらなのか。 AIについて誰よりも詳しくなることなのか。 それとも、AIを使って自分のビジネスで結果を出すことなのか。 EC事業者であれば、後者でいいと思います。 ChatGPTでもGeminiでもOmnekyでもSidekickでも、それ自体が売上を作ってくれるわけではありません。 「自分は何をしたいのか?」 「どの仕事を効率化すれば前に進めるのか?」 「どうすれば試行錯誤の回数を増やせるのか?」 そこから逆算してAIを使う。 特に広告なら、AIによって大量のクリエイティブを作れるようになった今だからこそ、どんどん言葉を変えて試してみてください。 そしてCPAだけを見て終わるのではなく、 「なぜ、この言葉は反応されたのか?」 を考えてみる。 AI時代のEC運営で大きな差になるのは、最新のAIを知っていることではなく、AIを使って「売れる言葉」を見つける試行錯誤をどれだけできるか。 僕は今、そこがすごく重要だと感じています。 音声はこちら▶︎