もう一度、原理原則から。小規模事業者の広告運用をやり直す 「やり方が増えすぎて迷子になってないか?」自分にそう問い直した。結論はシンプル。原理原則に戻す。打率の幻想を捨てて、打席数を増やす。まずはここからやり直す。 なぜ今、原理原則に回帰するのか 先日、北の達人・木下社長と会食。徹底的に原理原則をやり抜く姿勢にハッとした。インフルエンサー施策は「当たり」が出ても再現性が低い。SNSの競争は激化し、優先度の高い投資先ではなくなった。だからこそ、事業を伸ばす核として広告運用に立ち返る。 全体方針の再定義 小規模事業者がまずやるのはこの3本。 1. Meta広告で売上の土台を作る 2. Google広告で新規獲得の取りこぼしを拾う 3. X広告は検証枠として少額で着手し、学習する Meta広告は「クリエイティブ勝負」 ・MetaはSNSの延長。コンバージョンは取りやすい・オーディエンス設定より、まず言葉と視覚の組み合わせ・管理画面の数字が良くても「新規」が取れていない落とし穴に注意・メイン用途はリタゲでの刈り取りに寄りがち。だから新規は別軸で取りに行く 新規が取れていない現実を直視する Shopifyのアプリなどで「新規獲得の実数」を確認したら、想像より悪いことがある。管理画面の見かけのCPAに酔わない。新規CPAとLTVで見る。ここを誤ると売上が伸びても利益が消える。 Google広告は“難しい”。だから順番を守る Googleはメニューと選択肢が多く、選択ミスで溶ける。だから「型」で始める。 1. まずはショッピング広告(PMaxに“自動で切り替えない”) ・ショッピング広告を選択し、PMaxへの自動切替チェックは外す・どの検索クエリで露出したかが追える・最短で「売れ筋キーワードの地図」を手に入れる 2. 指名検索の入札を必ず敷く ・自社名、商品名、商標ワードは検索連動で必ず抑える・検討の最終局面で競合にさらわれないための「戸締まり」 3. 少額のPMaxは“リタゲ用途”で ・日額1000円程度でOK・アセットを揃えて、他面(検索やYouTube閲覧中)での取りこぼしを拾う・目的は新規爆発ではなく、回遊の網羅 いきなり“応用編”に走らない デマンドジェネ、GDN、プレースメント調整…やりたい気持ちはわかるが、基礎が未整備のまま触ると損する。まずは上の3つに集中。 打率を誤解しない。必要なのは“打席数” トップクラスでも大量に三振している。ならば、我々はもっと振る。怖くても出稿本数を増やす。ここで逃げると学習も改善も起きない。 テストは「言葉」から始める 1枚の写真に対してキャッチコピーを10本。まずはこれで十分。・誰に、何を、どう言うかの言い換えを量産・同一ビジュアルでテキストだけ変えて出す・当たり言葉を見つけてから、静止画と動画を両輪化 広告とLP改善は同時進行 A/Bの結果に満足して止まるのが一番の無駄。広告で得た示唆をLPへ即反映。LPの訴求転換点、FAQ追加、比較表、社会的証明、CTAの配置を回す。CPAは広告だけでなくLPでも下がる。 設定は“電器屋仕事”。外注してOK ピクセル連携や計測設定は専門職の領域。学習コストが重いなら割り切って外注。オペで詰まって成長が止まるのが一番コスパが悪い。 まとめ:小規模事業者の最短ルート ・Metaはクリエイティブ精査で刈り取りの土台を作る・Googleはショッピング→指名検索→少額PMaxで取りこぼしを拾う・新規CPAとLTVで意思決定。見かけの数字に騙されない・打席数を増やす。言葉を先にテスト。LPは同時改善この順序で、ムダ撃ちせずに伸ばせる。 音声はこちら▶︎