ひとりECこそAIを使うべき。僕が実践しているAI活用法をすべて共有します 最近、EC家庭教師のミーティングでAIの活用方法について話す機会が増えています。 文章がなかなか書けない。 バナーを作ろうと思っても、手が止まってしまう。 サイトを改善したいけれど、HTMLやCSSがわからない。 広告用のクリエイティブを増やした方がよいとわかっていても、制作する時間がない。 ひとりECや少人数でECを運営していると、こうした「作りたいけれど作れない」という問題が頻繁に起こります。 ところが、AIの使い方を少しアドバイスするだけで、それまで手を動かせなかった人が、次々とアウトプットを作れるようになるケースが増えてきました。 改めて、AIはひとりECと非常に相性がよいと感じています。 今回は、僕が実際にどのAIをどのように使い分けているのかを共有します。 ただし、具体的なツールの話をする前に、必ず押さえておいてほしいことがあります。 AIを使っても、中身がなければ売れない 最初に、少し耳の痛い話をします。 どれだけAIを使いこなしても、ブランドの中身がなければ、よいものは作れません。 ここでいう「中身」とは、専門的な知識の量だけではありません。 なぜこの商品を販売しているのか。 お客様にどのような価値を届けたいのか。 他の商品ではなく、自分たちの商品を選んでほしい理由は何か。 自分が大切にしている考え方は何か。 こうしたブランドのこだわりや思いが、自分の中にあるかどうかです。 AIは、入力された情報をもとに文章や画像を作ってくれます。しかし、ブランドの運営者自身が何も考えていなければ、AIにも表面的なものしか作れません。 AIは、あくまでもツールです。 Instagramが流行ったからInstagramを始める。 新しい販売ノウハウが出たから、とりあえず真似をする。 AIが流行ったから、とりあえずAIを使う。 このように、手段だけを追いかけても、長く売れ続けるブランドにはなりません。 むしろ、AIによって誰でも一定水準の文章やデザインを作れるようになるほど、ブランドの中身が問われる時代になります。 これからは、誰でも70点程度のアウトプットを作れるようになります。 文章もそれなりに読みやすい。 バナーもそれなりに整っている。 LPも見た目だけならきれいにできている。 そのようなブランドが大量に増えれば、似たようなものは簡単に埋もれます。 だからこそ、AIを学ぶことと同時に、自分が何をしたいのかを見つめ直すことが大切です。 AIで作ったLPが、すべて同じに見えた 以前、Claudeを使ってLPを簡単に作る方法を紹介したことがあります。 実際にその方法を試して、作ったLPを見せてくれた人が何人かいました。 最初の1本を見たときは、「こんなものまで簡単に作れるのか」と驚きました。 ところが、続けて何本か見ていると、ある問題に気づきます。 全部、同じように見えるのです。 同じような構成。 同じようなデザイン。 同じような言い回し。 「これはAIで作ったページだな」と感じるような、独特の均一感がありました。 AIでLPを作ること自体が悪いわけではありません。 テスト用のページを早く作る、簡易的な案内ページを作るなど、目的が明確なら非常に便利です。 ただし、作れることと、売れることは別です。 AIが出したテンプレートをそのまま使うだけでは、似たようなページの中に埋もれてしまいます。 AIを使うときほど、最終的に自分の考えや表現を加える必要があります。 ChatGPTは文章作成と画像制作に使う ここからは、僕が実際に行っているAIの使い分けを紹介します。 まず、メルマガやブログの文章作成には、主にChatGPTを使っています。 文章の生成にはGeminiやClaudeも使えますが、僕の場合はChatGPTの文章が比較的自分の感覚に近いと感じています。 生成した文章をそのままブログのエディターへ貼り付けやすい点も、ChatGPTを使っている理由の一つです。 ツールによっては、コピーしたときに余計な書式やソースが入り、エディター上で表示が崩れることがあります。 毎回それを修正するのは面倒なので、運用まで含めて使いやすいものを選んでいます。 また、最近は画像制作でもChatGPTをよく使います。 たとえば、Amazonの商品ページで使う正方形の画像や、広告用のバナーです。 以前ならデザイナーへ依頼していたような画像も、現在はAIでかなりの水準まで作れます。 もちろん、毎回完璧なものが出てくるわけではありません。 それでも、商品画像や訴求内容を伝えながら何度か修正を重ねれば、実際に使えるレベルに近づけられます。 画像が足りないときに、商品の利用シーンやイメージ画像を補う目的でも使えます。 ひとりECにとって、文章と画像の両方を同じ場所で作れるのは非常に大きなメリットです。 GeminiはGoogleサービスと情報整理に強い Geminiは、Googleのサービスと組み合わせた作業に向いています。 特に便利なのが、YouTube関連のコンテンツ制作です。 動画をYouTubeへアップロードし、その内容を要約する。 要約した文章をブログ記事へ展開する。 動画の内容から見出しや投稿案を作る。 このような作業は、Geminiと相性がよいと感じています。 スプレッドシートなど、Googleのサービスを日常的に使っている事業者にとっても使いやすいでしょう。 また、情報収集やアイデアの整理では、GeminiやNotebookLMが便利です。 自分が過去に作った資料、講座の内容、書きためたメモなどを読み込ませて、説明文やコンテンツ案を作らせる使い方もできます。 AIを単なる文章生成ツールとして使うのではなく、自分の知識を整理するデータベースとして使うイメージです。 ClaudeはShopifyのコード作成に使う Claudeは、主にShopifyのサイトを調整するときに使っています。 たとえば、LPへ新しいセクションを追加したいとき。 余白や文字サイズを変えたいとき。 商品説明の見せ方を変えたいとき。 このような場合に、実現したいレイアウトを伝え、HTMLやCSS、Liquidのコードを作ってもらいます。 Shopifyには、カスタムLiquidへコードを入力してページを調整できる機能があります。 「このような内容のセクションを作りたい」 「スマートフォンではこの順番で表示したい」 「余白をこの程度にしたい」 と依頼すると、コードの案を出してくれます。 以前なら制作会社やエンジニアへ依頼しなければ難しかった作業でも、AIへ相談しながら進められるようになりました。 もちろん、コードをそのまま貼れば必ず動くとは限りません。バックアップを取り、表示を確認しながら使う必要はあります。 それでも、何もわからない状態から自分だけで調べるより、圧倒的に早く進められます。 広告バナーを大量に作るならOmneky 広告用のクリエイティブを大量に作りたいときは、Omnekyというツールを使っています。 ChatGPTでもバナーは作れますが、一度に大量の画像を作る用途には少し時間がかかります。 一方、Omnekyは複数の画像をまとめて生成できるため、広告クリエイティブの案を一気に増やしたいときに便利です。 頑張れば、1日に数十本のバナーを作ることもできます。 僕が広告運用で嫌だった作業の一つが、バナー制作でした。 広告の切り口を変えてテストしたいと思っても、そのたびにバナーを作らなければいけません。 デザイナーへ依頼すれば、1枚数千円かかることもあります。 費用がかかるため、気軽に10本、20本とテストすることはできません。 ところが、AIであれば1枚あたりの制作費を大幅に抑えられます。 仮に1枚約80円で10本作れば、約800円です。 300本作ったとしても、約2万4,000円です。 人へ依頼する場合と比べれば、圧倒的に安く、試行錯誤の回数を増やせます。 ここで重要なのは、1枚の完璧なバナーを作ることではありません。 切り口を変える。 言葉を変える。 ターゲットを変える。 商品の見せ方を変える。 こうしたテストを繰り返し、反応のよい広告を残していくことです。 デザインは70〜80点でも構いません。 むしろ、デザインを細かく調整することより、訴求の角度を増やす方が重要な場合もあります。 AI動画は完成品ではなく、素材として使う Omnekyでは動画も作れますが、現時点では生成された動画をそのまま使うのは難しい場合もあります。 12秒の動画を作ったとしても、その中に不自然な場面や使えない数秒が入ることがあります。 その場合は、使える部分だけを切り出します。 複数のAI動画から使える場面を集め、CapCutなどで短く編集すれば、SNS広告や投稿用の動画素材として活用できます。 AIだけで一本の完成度が高い動画を作ろうとするのではなく、編集に使う素材を作ると考えた方が現実的です。 撮影に必要な場所、出演者、機材を用意せずに素材を増やせるため、ひとりECにとっては大きな助けになります。 ひとりECが最初に取り組むべきAI活用 AI活用と聞くと、難しい仕組みを作らなければいけないと思うかもしれません。 しかし、最初はシンプルな使い方で十分です。 まず、ChatGPTで商品ページやブログ、メルマガの文章を作ります。 次に、商品ページに必要な画像や広告バナーを作ります。 サイト上でHTMLやCSSの調整が必要になったら、Claudeなどへ相談します。 完成したページと画像を使って広告を配信し、反応を確認します。 結果を見ながら、文章やクリエイティブの切り口を変えてテストします。 基本的には、この繰り返しです。 すべてを自分でゼロから作る必要はありません。 AIに下書きや素材を作ってもらい、人間は「何を伝えるか」「どの案を採用するか」「どのように改善するか」に集中します。 この形を作るだけで、制作にかかる時間はかなり減らせます。 制作が苦手な人ほど、AIを使った方がいい EC事業者の中には、商品や専門知識には自信があっても、文章やデザインが苦手な人がいます。 これまでは、Webに詳しくないことが大きなハンディキャップになっていました。 専門的な知識を持っていても、それをページや広告として表現できなければ、お客様へ届けられなかったからです。 しかし、AIによってWeb制作のハードルは大きく下がっています。 文章を書けなくても、話した内容から文章を作れます。 デザインができなくても、バナーの案を作れます。 コードがわからなくても、サイトの修正案を出してもらえます。 これまでWebの技術を持っているだけで評価されていた人の価値は、今後下がっていく可能性があります。 一方で、本当に専門的な知識や経験を持つ人が、自分の価値を伝えやすい時代になります。 技術がないために発信できなかった専門家にとって、AIは大きなチャンスです。 AIに頼るほど、自分の思考は意識して守る AIは便利ですが、使い続けることで、自分で考える力が弱くなったと感じる場面もあります。 文章を書く前にAIへ聞く。 アイデアを出す前にAIへ聞く。 わからないことがあれば、すぐにAIへ聞く。 これを繰り返していると、ノートを開いて自分だけで考えようとしたとき、ペンが進まなくなることがあります。 だからこそ、AIに任せる部分と、自分で考える部分を分ける必要があります。 最初の問いは自分で考える。 商品の強みや違和感は、自分の言葉で書き出す。 AIが作った文章を読み、意味が違う部分や自分らしくない表現を削る。 最終的に何を採用するかは、自分で決める。 AIへ丸投げするのではなく、自分の思考を広げたり、形にしたりする相手として使うことが大切です。 AIは、ブランドの思いを広げる道具 ひとりECにおいて、AIは非常に強力です。 文章を作る。 画像を作る。 サイトを作る。 広告を作る。 動画の素材を作る。 情報を整理する。 これまで一人では手が回らなかった仕事を、かなりの範囲まで補ってくれます。 だからこそ、「人手がないからできない」という言い訳は、これから徐々に通用しなくなります。 一方で、AIを使えば誰でも売れるわけではありません。 ブランドの中に、お客様へ伝えたいことがあるか。 自分の商品を通じて、どのような価値を届けたいのか。 誰を、どのように喜ばせたいのか。 その答えを持っている人が、AIを使うことで一気に強くなります。 AIは、何もないところからブランドの価値を作ってくれるものではありません。 すでに自分の中にある思いや専門性を、文章や画像に変え、世の中へ届けやすくしてくれる道具です。 ツールの使い方を学ぶことも重要です。 しかし、それ以上に、自分のブランドのコアを見つめ直してください。 AIが当たり前になる時代ほど、最後に選ばれる理由になるのは、人間が持っている思いや経験です。 音声はこちら▶︎