ハンドメイド販売はなぜスケールしにくいのか?実体験から考える ハンドメイド販売について相談をいただく機会はとても多いです。 「ハンドメイド作品って、どこまで事業として伸ばせますか?」 今回は、実際に僕自身がハンドメイド作品を販売していた経験と、多くのハンドメイドブランドを見てきた中で感じていることを共有したいと思います。 結論から言うと、 ハンドメイドは魅力的なビジネスですが、スケール(事業拡大)は非常に難しいジャンルだと考えています。 もちろん例外はあります。 しかし、多くのブランドが同じ壁にぶつかります。 僕もハンドメイド販売をしていました 2017年頃、僕はハーバリウムの販売をしていました。 ドライフラワーを特殊なオイルに閉じ込めたインテリアで、当時は大きなブームでした。 僕自身が制作していたわけではなく、作家さんが制作した作品を販売する立場でしたが、販売は非常に好調で、月商100〜150万円ほどまで伸びました。 「このままもっと伸ばせる。」 そう思ったタイミングで最初の壁にぶつかります。 壁① 製造が追いつかない 売れるようになったので、 「もっと制作していきましょう。」 と提案したところ、作家さんから返ってきた答えは 「これ以上は作れません。」 というものでした。 ハンドメイド作品は、一人の技術や時間に依存することが多く、生産量に限界があります。 広告を回せばもっと売れる。 でも、作れない。 この状態になると、それ以上売上は伸ばせません。 壁② 配送効率が圧倒的に悪い 当時は京都の自宅から発送していました。 同時にサプリメントも販売しており、毎日大量発送していたのですが、そこで気付いたことがあります。 サプリメントなら、 ・梱包がシンプル ・軽い ・壊れない そのため、一日に100件以上の梱包も可能でした。 一方でハーバリウムは、 ・割れ物 ・緩衝材が必要 ・梱包時間が長い 頑張っても15〜20件程度しか発送できません。 つまり、 同じ時間を使っても処理できる件数がまったく違う。 ここでも事業としての効率の差を痛感しました。 多くのハンドメイド作家さんも同じ壁にぶつかる EC家庭教師として、多くのハンドメイドブランドを見てきました。 共通しているのは、 年商300〜1000万円あたりから製造が追いつかなくなること。 広告を止める。 受注を制限する。 納期を延ばす。 こうして成長が止まってしまうケースを何度も見てきました。 外注すると今度は利益が減る そこで次に考えるのが外注です。 しかし、外注にも課題があります。 製造コストが増えるため、 利益率が下がります。 それなのに販売価格を据え置くと、 「売上は増えたのに利益が増えない。」 という状態になってしまいます。 その結果、 「やっぱり外注をやめよう。」 となるブランドも少なくありません。 外注するなら値上げまでセットで考える 僕は、 外注するなら価格改定までセット で考える必要があると思っています。 利益率を維持しながら生産能力を増やす。 これができて初めて、次のステージへ進めます。 一点物が多いこともECでは不利になる ハンドメイド作品は一点物が多いですよね。 これは作品としては魅力ですが、 EC運営では逆に手間になります。 ・毎回商品登録 ・毎回撮影 ・毎回説明文 この作業が増えるため、 SKU管理も非常に大変になります。 成功している作家さんは価格帯を変えていた 印象的だったのが、沖縄のガラス作家・日月(ひづき)さんです。 以前は1〜2万円ほどの作品を販売されていましたが、 現在は100万円、300万円といった高価格帯の作品を制作されています。 数を売るのではなく、 価値を高める方向へシフトした。 これも一つの正解だと思います。 成長したいなら「製造」が最大の課題になる 多くの場合、 マーケティングはうまくいっています。 売れる。 広告も回る。 でも、 サプライチェーンが整っていない。 だから止まる。 つまり、 問題は集客ではなく製造です。 どちらを選ぶかはブランドオーナー次第 もちろん、 「自分が作ることに意味がある。」 という考え方も素晴らしいと思います。 その場合は無理に拡大する必要はありません。 一方で、 「もっと事業を成長させたい。」 のであれば、 ・人を雇う ・外注する ・OEM化する ・工程を標準化する こういった選択は避けて通れません。 まとめ ハンドメイド販売は、とても魅力のあるビジネスです。 しかし、 売れるようになればなるほど、 製造・物流・人材・外注化といった課題が必ず出てきます。 だからこそ、 「どこまで成長したいのか」 「何を守りたいのか」 この二つを早い段階で決めておくことが、とても重要です。 ブランドの価値を守ることも大切。 事業として成長させることも大切。 そのバランスをどう取るかが、ハンドメイドブランドの大きな分岐点になると、僕は考えています。 音声はこちら▶︎