ECのLTVを上げたいなら、まずメルマガをやる。CRMで本当に大事なのは「思い出してもらう頻度」です ECを運営していると、必ずと言っていいほど出てくるのが「LTVをどう上げるか」「CRMをどう強化するか」という話です。 先日、ヘルスケア関連の方々とCRMやLTV向上について話をしていたのですが、その中で話題になったのが、 「ECブランドって、意外とCRMをちゃんとやっていないよね」 ということでした。 特にヘルスケアや単品リピート通販の会社を見ていると、CRMやLTVについてはよく語られている一方で、実際に商品を購入してみると、その後ほとんどメルマガが届かないことも珍しくありません。 もちろん、CRMをしっかりやっている会社は本当に細かくやっています。 ただ、やっている会社とやっていない会社の差がものすごく大きい。 そこで今回は、改めてECにおけるメルマガについて話したいと思います。 結論から言うと、 売上を上げたいのであれば、メルマガは絶対にやった方がいいです。 難しいCRM施策を考える前に、まずは「ちゃんとお客様に連絡していますか?」というところから考えてみてください。 売上が欲しいのにメルマガを送らないのは、営業できる相手に営業していないのと同じ サロンメンバーの中には、毎日メルマガを配信している人もいれば、週3回程度配信している人もいると思います。 一方で、 「メルマガをやった方がいいのは分かっているけれど、全然手をつけられていません」 という人もいるでしょう。 ただ、売上を上げたいと言いながらメルマガを配信していないのであれば、かなりもったいないです。 たとえば、メルマガの配信先が100人しかいなかったとします。 「まだ100人しかいないから、メルマガをやっても意味がない」 と思うかもしれません。 でも、逆です。 100人も、自分たちからコミュニケーションを取れる人がいるんです。 その100人に何も連絡していないということは、営業できる相手が100人いるのに営業していないのと同じです。 メルマガを始めると、なぜ売上につながるのか。 理由はすごくシンプルで、お客様との接触頻度が増えるからです。 以前商品を買ってくれた人の中には、 「そういえば、そろそろまた買おうかな」 と潜在的に思っている人が一定数います。 でも、ブランド側から何も連絡しなければ、そのまま忘れられてしまいます。 そこにメルマガが届けば、 「あ、そういえばこれ買ってたな」「そろそろなくなるから買おう」「久しぶりにショップを見てみよう」 と思い出してもらえる。 極端に言えば、まずはこれだけでもいいんです。 メルマガで最初に目指すのは「良い文章を書くこと」ではない メルマガが続かない人からよく聞くのが、 「何を書けばいいのか分からない」「ちゃんと役に立つ内容を書かなければいけない」「文章を書くのが苦手」「良い企画が思いつかない」 という悩みです。 ただ、まだほとんどメルマガを送っていないのであれば、最初からそんなに難しく考える必要はありません。 メルマガの大きな役割の一つは、 お客様にブランドを思い出してもらうこと だからです。 インターネット上では、こちらが思っている以上にお客様との接触頻度を作るのが難しいです。 広告で接触しようと思えばお金がかかります。 SNSも、投稿したからといって全員に届くわけではありません。 一方、メールアドレスを登録してくれている人には、こちらから直接アプローチできます。 だから僕は、メルマガについては1本1本の完成度以上に、まず頻度が重要だと考えています。 極端な話、まだ一度もメルマガを送っていないのであれば、 「〇〇です。久しぶりにお店を見に来てください」 くらいの内容でも構いません。 完璧な文章を書こうとして3か月何も送らないより、短くても定期的に連絡した方がいい。 まずは忘れられないことです。 接触頻度が増えると、ブランドへの愛着も生まれる 頻度を増やした方がいい理由は、もう一つあります。 何度も接触することで、ブランドへの愛着が生まれるからです。 営業マンに置き換えると分かりやすいと思います。 ものすごくスタイリッシュで、プレゼン能力も営業力も完璧だけれど、たまにしか来ない営業マン。 一方で、ものすごく派手なプレゼンをするわけではないけれど、何度も足繁く通ってくれる営業マン。 どちらから買うかというと、後者になるケースは多いと思います。 僕自身も発信量はかなり多いですが、それによって僕自身への信頼感や愛着が生まれている部分は間違いなくあると思っています。 これは音声でもSNSでもメルマガでも同じです。 1回ですごいことを言うこと以上に、 コツコツと接触し続けること。 これは誰でもできます。 だからこそ、CRMではものすごく大切です。 「何を書けばいいか分からない」は、お客様の解像度を上げるところから とはいえ、実際にメルマガを始めようとすると、 「何を書けばいいんですか?」 という疑問は出てくると思います。 この場合、最初に考えてほしいのはメルマガの企画ではありません。 自分のお客様は、商品を通してどんな経験を得たかったのか? ということです。 お客様は、商品そのものが欲しくてお金を払っているとは限りません。 その商品を購入した先にある「経験」にお金を払っています。 たとえばステッパーを販売しているとします。 表面的なニーズだけを見ると、 「痩せたい」「運動不足を解消したい」 かもしれません。 でも、さらに深掘りすると、 「夏は暑すぎて外で運動したくない」「涼しい部屋の中で運動したい」「運動したいけれど、まとまった時間を取れない」 といった背景があるかもしれません。 そうするとメルマガの企画は一気に増えます。 「室内でできるステッパー運動」「1日何分やればいい?」「何セットくらいがおすすめ?」「ステッパーと組み合わせたい筋トレ」「忙しい日におすすめの使い方」 など、お客様が知りたいことを考えれば、発信する内容はいくらでも作れます。 つまり、 メルマガのネタがないのではなく、お客様についてまだ知らない可能性がある。 ということです。 お客様はなぜ自分の商品を買ったのか。 購入後に何を実現したかったのか。 どんな悩みを解決したかったのか。 まずはそこを把握したり、仮説を立てたりしてみてください。 メルマガを難しく考えすぎない。「お客様への日報」くらいでもいい メルマガをやったことがない人は、もっとライトに考えていいと思います。 感覚としては、 「お客様に届ける日報」 くらいでもいいです。 今日こんなことがありました。 こんな商品を作っています。 こういうお客様の声をいただきました。 実はこの商品にはこんな背景があります。 こうやって使うのがおすすめです。 そんな情報をテキストで届けながら、定期的にブランドを思い出してもらう。 最初から毎回ものすごく役立つ情報を届けようとすると、どうしても手が止まります。 100点を取ろうとする必要はありません。 毎日発信すれば、当然品質にバラつきも出ます。 でも、それでいいと思っています。 毎回100点を取ろうとして発信できなくなるより、60点、70点でもお客様との接点を作り続ける方が大切です。 ブランドの思想やものづくりの話も、ちゃんと効果がある サロンメンバーから、 「商品の話だけではなく、ものづくりやブランドの思想について書くことが多いのですが、効果があるのか分かりません」 という相談もありました。 これは、間違いなく意味があります。 ただし、思想の話だけをしていると、売上という分かりやすい数字には表れにくいです。 たとえば週7日配信するのであれば、 5日はブランドの思想やものづくりについて話して、残り2日はしっかり商品を案内する。 そんな組み合わせでもいいと思います。 ブランドの思想や製造背景について話すことには、 「ブランドを理解してもらう」 という重要な役割があります。 そもそも、こちらから話さなければお客様には伝わりません。 「こんな想いで作っています」「実はこんな工程があります」「なぜこの原料を選んでいるのか」「なぜこのブランドを始めたのか」 こうしたことは、ブランド側が説明しなければ、お客様は知りようがありません。 ブランドへの愛着を持ってもらいたいのであれば、自己紹介が必要なんです。 売上につながらないメルマガには「反応できる導線」を作る 一方で、ブランドの思想について書いても、すぐ商品が売れるとは限りません。 すると、 「このメルマガって効果あるのかな?」 と思ってしまいます。 そんなときは、売上以外の反応を受け取れる導線を作ってみてください。 たとえばメルマガの最後に、 「今日はこんな話を書いてみました。感想や質問があればLINEで教えてください」 と入れておく。 すると、 「今日のメルマガ、すごく良かったです」「この部分についてもう少し聞きたいです」 といった反応が返ってくることがあります。 商品の案内なら購入をCTAにする。 ブランドの思想を伝えるメールなら、感想や質問をCTAにする。 そうすると、売上だけでは見えなかったメルマガの反応が分かるようになります。 まず作ってほしいメルマガ4本 「それでも何から書けばいいか分からない」 という人には、まず以下の4つをおすすめします。 1.改めて商品について説明する 商品ページとは別に、改めて商品の特徴を説明してください。 商品を一度購入したからといって、その人が商品のことを完全に理解しているわけではありません。 自分自身が通販で何かを買ったときのことを考えてみてください。 購入したブランドについて、原料から製造背景、特徴、使い方まですべて説明できるでしょうか。 ほとんどの人はできないと思います。 だから、購入後にも改めて商品のことを伝える必要があります。 リピートしてほしいのに、商品のことを十分理解していないお客様に対して、 「また買ってください」 だけを送っても弱いんです。 まず理解してもらう。 そのための商品説明メールを作ってください。 2.お客様の声を紹介する 次はレビューです。 商品を購入したお客様は、 「自分がこの商品を買った判断は正しかった」 と思いたいものです。 そこで、実際に喜んでいるお客様の声を届けます。 「こんな方が、こんなふうに使ってくれています」 という情報は、商品の理解を深める材料にもなります。 そしてレビューが複数あるなら、一気に全部紹介する必要はありません。 Aさんのレビューは1通。 Bさんのレビューは別の1通。 Cさんのレビューもまた別の日に紹介する。 1回のメルマガに全部詰め込んで「もうネタがありません」となるくらいなら、1つずつ丁寧に紹介すればいいんです。 3.商品の基本的な使い方を伝える 商品の一般的な使い方も、立派なメルマガの企画になります。 どんなタイミングで使うのか。 どのくらい使うのか。 初めて使う人が気をつけるポイントは何か。 商品ページに書いてある内容でも構いません。 お客様がすべての商品ページを熟読しているとは限らないからです。 4.自分たちがおすすめする使い方を伝える 一般的な使い方とは別に、 「僕はこう使うのがおすすめです」 という内容も作れます。 客観的な商品説明とは違って、作り手や運営者としての感情や偏見を乗せた使い方です。 「個人的には、このタイミングで使うのが一番好きです」「こういう人には、この使い方をぜひ試してほしいです」 という内容には、ブランド側の人柄も出ます。 この4つだけでも、すでに4回分のメルマガになります。 1,000文字を週1回送るより、300文字を週3回送る メルマガを書くときに、1回ですべてを伝えようとする必要はありません。 1,000文字の完璧なメルマガを書くために時間がかかって、週1回しか送れない。 それなら僕は、 300文字程度に分けて、週3回送る方をおすすめします。 LINEでのお客様対応も同じです。 ものすごく丁寧に対応しようとして、1つの吹き出しに500文字くらい詰め込んでしまうことがあります。 でも、受け取る側からすると結構重たい。 それなら、 「お問い合わせありがとうございます」 「確認したところ、現在このような状況です」 「発送でき次第、改めてご連絡します」 と分けた方が読みやすかったりします。 メルマガも同じです。 1本のコンテンツに全部詰め込むのではなく、分けて届ける。 1回のクリエイティブの完成度を追い求めるより、接触頻度を作る。 この感覚を持っておくと、かなり運用しやすくなると思います。 配信先は細かく分けすぎなくてもいい 「メルマガは誰に送ればいいですか?」 という質問もありました。 僕の場合、基本的にはメルマガ登録してくれている人全員に送っています。 細かく分けるとしても、 ・購入した人 ・まだ購入していない人 くらいです。 そして、まだ購入していない人には、購入者以上に商品の情報を届けます。 もちろん、明確な目的があるならセグメントを細かく分けるのはありです。 ただ、 「CRMだからセグメントしなきゃ」「細かくステップ配信を組まなきゃ」 と考えすぎて、肝心の配信自体ができなくなったら意味がありません。 なぜこの人たちを分けるのか。分けた結果、何を変えたいのか。 その目的が説明できるなら分ければいい。 特に理由がないのであれば、まず全体に送るところから始めてもいいと思います。 LTVを語る前に、お客様との接触回数を増やそう EC業界では、新規顧客獲得の話がどうしても目立ちます。 Meta広告のCPAがどうだった。 クリエイティブがどうだった。 広告費をいくら使った。 もちろん、どれも重要です。 でも、LTVを上げたい、CRMを強化したいと言いながら、すでに接点を持っているお客様に何も連絡していないのであれば、まずそこからです。 新しいCRMツールを導入することでも、複雑な自動化を組むことでもありません。 まずメルマガを送る。 お客様に思い出してもらう。 商品についてもう一度理解してもらう。 ブランドの思想を知ってもらう。 お客様の声を届ける。 使い方を伝える。 そして、またショップに来てもらう。 その接触をコツコツ繰り返すことで、少しずつブランドへの理解や愛着が積み上がっていきます。 100人しかいないのではなく、100人もいる。 その100人とコミュニケーションを取れる環境がすでにあるなら、使わないのは本当にもったいないです。 完璧なメルマガを月に1回送る必要はありません。 短くてもいい。 毎回100点じゃなくてもいい。 ネタを1通に全部詰め込まなくてもいい。 大切なのは、忘れられないこと。 LTVを上げたいのであれば、広告の話をする前に、まず今日1通メルマガを送ってみてください。 音声はこちら▶︎