今回は、サロンメンバーが販売しているクラフトコーラのLP(ランディングページ)を題材に、売れるキャッチコピーの考え方と、商品の魅力を伝えるための具体性・独自性の重要性についてお話しします。 LPや広告を作るとき、ついおしゃれな表現や世界観を重視してしまうことがあります。 もちろん、ブランドの世界観を表現することは大切です。 ただ、その言葉を見たお客様が「素敵だな」と感じることと、「この商品が欲しい」と思うことは、まったく別の話です。 僕が今回一番伝えたいのは、自分たちが考えたキャッチコピーやコンセプトに、本当にお客様のニーズがあるのかを確認してほしいということです。 1. おしゃれなキャッチコピーが売れるとは限らない 今回添削するのは、サロンメンバーが開発したオリジナルのクラフトコーラです。 スパイスやハーブなどの原材料をブレンドし、夜のリラックスタイムや睡眠前のひとときを意識して作られた商品です。 LPも非常にきれいに作られていて、ブランドの世界観がしっかり表現されています。 そのLPで使われていたキャッチコピーが、 「考える余白をつくるクラフトコーラ」 というものです。 さらに、 「1日の終わりに自分と向き合う」 という言葉も使われていました。 僕は、この表現自体が悪いとは思っていません。 言葉としてきれいですし、夜の静かな時間や、自分自身と向き合うひとときがイメージできます。 ただ、ここで考えてほしいことがあります。 「考える余白が欲しい」と思っている人は、実際にどれくらいいるのでしょうか? そして、もっと重要なのは、その言葉を見て「このクラフトコーラを買いたい」と思う人がどれくらいいるのか、ということです。 例えば、仕事で疲れて帰宅した人がいたとします。 その人が求めているのは、必ずしも「考える余白」ではないかもしれません。 仕事の疲れを癒やしたい 頭の中をすっきりさせたい 気持ちを落ち着かせたい 夜はゆっくりリラックスしたい 翌朝に向けて気持ちを切り替えたい こうした、もっと具体的な欲求を持っている可能性があります。 「考える余白」という表現は、これらの欲求を抽象的にまとめた言葉なのかもしれません。 しかし、抽象化したことで、本来伝えたかったメリットが伝わりにくくなっている可能性もあります。 ここは一度、立ち止まって考えてみる必要があります。 もちろん、実際に広告を出してみなければ結果はわかりません。 このキャッチコピーが非常に高い成果を出す可能性もあります。 だからこそ、まずはテストしてみることをおすすめします。 ただし、テストする前の仮説として、その言葉が本当に購買意欲につながるのかを考えることが大切です。 2. 「ニーズ」と「ウォンツ」の違いを理解する マーケティングでは、「ニーズ」と「ウォンツ」という言葉がよく使われます。 今回の話を理解するうえで、この2つの考え方は非常に重要です。 僕は、これを次のようなイメージで考えています。 ニーズ:マイナスの状態をゼロに戻す欲求 例えば、 お腹が空いているから食事をしたい 喉が渇いているから水を飲みたい 疲れているから休みたい 睡眠不足だからしっかり眠りたい こうした、何かしらの不足や不満を解消したいという欲求です。 人は、今困っていることを解決するためには、積極的にお金を使う傾向があります。 よくマーケティングの例えで使われるのが、水の話です。 東京でペットボトルの水を販売すれば、150円程度で購入できます。 しかし、サハラ砂漠の真ん中で喉が渇き、ほかに水を買える場所がなかったとしたらどうでしょうか。 その水が1万円だったとしても、購入する人がいるかもしれません。 同じ水でも、お客様が置かれている状況によって価値が大きく変わるわけです。 つまり、今すぐ解決したい問題があるほど、購買意欲は高くなりやすいということです。 ウォンツ:ゼロの状態をプラスにする欲求 一方で、ウォンツは、今の生活をもっと豊かにしたい、もっと楽しくしたいという欲求です。 例えば、 自分だけの特別な時間を過ごしたい 暮らしをおしゃれにしたい いつもの夜を少し贅沢にしたい 心に余裕のある生活を送りたい こうした欲求です。 もちろん、ウォンツに対してお金を使う人もたくさんいます。 ただ、今すぐ解決しなければいけない問題ではないため、ニーズに比べて購買の緊急性が低くなることがあります。 今回の「考える余白をつくるクラフトコーラ」という表現は、どちらかといえばウォンツ寄りです。 それ自体が悪いわけではありません。 ただ、ウォンツだけを伝えるよりも、もう少し具体的なニーズを表現した方が、お客様に響く可能性があります。 例えば、夜のリラックスタイムを求めている人に向けて、どんな場面で飲んでほしいのか、どんな時間を過ごしてほしいのかを具体的に伝える。 そうすることで、単なるおしゃれな飲み物ではなく、自分の生活に取り入れたい商品として認識してもらいやすくなります。 なお、健康や睡眠に関する効果を訴求する場合は、実際の根拠や広告表現のルールを確認する必要があります。 不安を過度に煽るのではなく、お客様が求めている具体的な価値を伝えることが重要です。 3. 同じ商品でも、言葉の選び方で購買意欲は変わる 僕が販売している商品のひとつに「断食プロテイン」があります。 この商品を求めているお客様は、何を期待しているのでしょうか。 実際には、ダイエットや体重管理に関心を持っている人が多いわけです。 ただし、プロテインを飲むだけで痩せるわけではありません。 僕もそこはしっかり説明しています。 それでも、例えば次のような表現を考えてみてください。 「栄養が豊富なプロテイン」 「スマートな毎日をサポートするプロテイン」 「ダイエット中の栄養補給に使えるプロテイン」 「断食中の栄養補給を考えたプロテイン」 どれも同じ商品の特徴を異なる角度から表現したものです。 しかし、受け取る印象は大きく違います。 「栄養が豊富」と言われても、今すぐ欲しいと思う人は限られるかもしれません。 一方で、ダイエット中の人に「ダイエット中の栄養補給」と伝えれば、自分に関係のある商品だと認識してもらいやすくなります。 重要なのは、単に商品の特徴を説明することではありません。 お客様が今求めていることと、商品のメリットを結びつけることです。 言葉のちょっとしたニュアンスの違いで、広告への反応や購入率は大きく変わる可能性があります。 4. 独自性を出そうとして、抽象的になりすぎていないか? 僕は普段から、広告やLPでは「具体性」と「独自性」が重要だと話しています。 ほかのメーカーと同じことばかり言っていても、商品を選んでもらう理由が生まれにくいからです。 ただ、独自性を出そうとするときに、よく起こる問題があります。 それが、オリジナリティを追求するあまり、表現が情緒的・抽象的になってしまうことです。 例えば、 「自分と向き合うための小さな儀式」 「グラスに注ぎ、香りを感じ、一口味わう」 こうした表現は、ブランドの世界観を伝えるうえでは素敵だと思います。 しかし、クラフトコーラを購入しようとしているお客様にとって、それが購入の決め手になるのでしょうか。 ここで考えるべきなのは、 「ほかのクラフトコーラと何が違うのか?」 ということです。 クラフトコーラは、すでに世の中にたくさんあります。 その中で選んでもらうためには、世界観だけでなく、商品の具体的な違いを伝える必要があります。 例えば、今回の商品であれば、 どんなスパイスやハーブを使用しているのか なぜその原材料を選んだのか 甘味料には何を使っているのか 一般的なクラフトコーラと味がどう違うのか どんな飲み方がおすすめなのか どんなこだわりを持って開発したのか こうしたことを、もっと詳しく説明してもいいと思います。 実際、今回のLPでは、原材料や製造へのこだわりが十分に伝えられていない印象を受けました。 例えば、ラカンカを使っているのであれば、それも商品の特徴として伝えられるはずです。 さらに、それ以外にも開発者ならではのこだわりがあると思います。 せっかく独自性のある商品を作っているのに、その独自性を言葉にしていなければ、お客様には伝わりません。 5. LPでは「主張」と「根拠」をセットで伝える LPを作るときに、僕が非常に重要だと考えていることがあります。 それは、何かを主張するのであれば、必ずその根拠を示すことです。 例えば、 「こだわりのクラフトコーラです」 と書かれていたとします。 しかし、これだけでは、どんな商品でも言えてしまいます。 「こだわっています」と言うのであれば、何にこだわっているのかを説明する必要があります。 例えば、 「砂糖ではなくラカンカを使用しています」 「複数のスパイスとハーブを独自にブレンドしています」 「自分が本当に飲みたいと思える味を追求しました」 こうした具体的な情報があれば、商品の特徴が少しずつ伝わります。 さらに、なぜその原材料を選んだのか、どのような試行錯誤を重ねたのかまで説明できれば、商品の説得力は高まります。 ここでいう根拠は、必ずしも検査データや数値だけではありません。 もちろん、機能性や健康効果を主張するのであれば、適切な科学的根拠が必要です。 一方で、商品の開発背景やこだわりについては、実際に取り組んできたこと自体が、その主張を裏付ける材料になります。 「なぜ、この商品はほかと違うのか?」 その理由をお客様が理解できるように説明することが大切です。 6. 商品開発の熱量を、おしゃれな表現で隠さない 今回のクラフトコーラも、おそらく開発までに相当な努力があったと思います。 もともとクラフトコーラが好きで、いろいろな商品を飲んできた。 その中で、自分が本当に欲しいと思える商品が見つからなかった。 だったら自分で作ってみようと考えた。 製造をお願いできる工場を探し、何度も問い合わせをして、試作や調整を重ねてきた。 これは僕の想像も含まれますが、商品が完成するまでには、きっとさまざまな苦労があったはずです。 だったら、その話をもっとすればいいと思うんです。 例えば、目の前に大手小売店のバイヤーがいたとします。 その人に自分の商品を取り扱ってもらいたいと考えたとき、 「考える余白をつくるクラフトコーラです」 という説明だけで、採用してもらえるでしょうか。 おそらく難しいと思います。 もっと商品の特徴や開発背景、ほかの商品との違いを説明するはずです。 なぜ、その熱量を一般のお客様に伝えるときには隠してしまうのでしょうか。 僕は、そこが非常にもったいないと思います。 ブランドの世界観を大切にするあまり、情報量を減らしてしまう。 おしゃれに見せようとして、商品の説明を控えめにしてしまう。 こうしたケースは、ECサイトでよく見かけます。 しかし、まだ世の中に十分認知されていないブランドであれば、基本的には情報をしっかり伝えることが重要です。 有名ブランドであれば、ブランド名だけで価値を理解してもらえるかもしれません。 でも、まだ知られていないブランドには、その前提がありません。 だからこそ、自分たちがどれだけ努力してきたのか、どんな想いで商品を作ったのか、何が優れているのかを丁寧に伝える必要があります。 おしゃれさを優先した結果、商品の魅力や開発者の熱量が伝わらなくなるのであれば、そのおしゃれさは見直した方がいい。 僕はそう考えています。 7. 情緒的な表現が有効な商品と、そうでない商品がある ここで、サロンメンバーから興味深い質問がありました。 「自分の商品も情緒的な表現が多く、商品そのものではなく、その先にある体験を伝えようとしてしまいます。どうすれば具体的に伝えられるでしょうか?」 これは非常にいい質問です。 僕が思うのは、商品によって情緒的な表現が強みになる場合と、そうではない場合があるということです。 例えば、万華鏡のような商品を考えてみてください。 万華鏡は、眺めること自体が商品の価値になります。 きれいな模様を眺めたり、自分だけの世界に没入したり、インテリアとして飾ったりする。 つまり、視覚的な体験そのものが商品のメリットになっています。 このような商品であれば、情緒的な表現が非常に効果的な場合があります。 一方で、クラフトコーラは飲み物です。 もちろん、パッケージや世界観にも価値はあります。 ただ、購入後の中心的な体験は、実際に飲んだときの味や香り、飲み心地などです。 そのため、情緒的な世界観だけでは、商品の価値を十分に伝えられない可能性があります。 ここは商品によって考え方を変える必要があります。 すべての商品で具体的な表現だけを使えばいいわけでもありませんし、情緒的な表現が悪いわけでもありません。 大切なのは、その商品の価値がどこにあるのかを理解したうえで、適切な伝え方を選ぶことです。 8. お客様の言葉から、本当のベネフィットを見つける では、具体的なキャッチコピーを考えるにはどうすればいいのでしょうか。 僕がおすすめしているのは、実際に購入してくれたお客様に、商品の使い方や感想を聞くことです。 例えば、クラフトコーラであれば、 「どんなときに飲んでいますか?」 「なぜ、この商品を購入しようと思いましたか?」 「飲んでみて、どんなところが気に入りましたか?」 「ほかのクラフトコーラと違うと感じた部分はありますか?」 こうした質問をしてみる。 すると、販売者が想像していなかった使い方やメリットが見えてくることがあります。 自分たちは「夜のリラックスタイム」を提案していたけれど、お客様は食後の気分転換として飲んでいるかもしれません。 あるいは、甘味料へのこだわりを評価して購入している人がいるかもしれません。 こうした情報は、実際に聞いてみなければわかりません。 僕が普段からLINEなどを活用してお客様に質問することをおすすめしているのも、そのためです。 お客様の声を集めることで、商品に求められている具体的なメリットが見えてきます。 そして、その言葉を広告やLPに反映していく。 販売者が頭の中で考えた言葉よりも、実際のお客様が使っている言葉の方が、同じ悩みや欲求を持つ人に伝わりやすいことがあります。 「いいね」と「欲しい」は違う もうひとつ注意してほしいことがあります。 新しいコンセプトやキャッチコピーを考えたとき、友人や知人に感想を聞くこともあると思います。 そのとき、 「いいね!」 「おしゃれだね!」 「面白いコンセプトだね!」 と言ってもらえることがあります。 もちろん、こうした反応も参考になります。 ただ、ここで勘違いしてはいけません。 「いいね」と言われることと、「お金を払って買いたい」と思われることは違います。 本当に知りたいのは、その言葉を見た人が購入したくなるかどうかです。 そのため、最終的には広告を配信して反応を確認することが重要になります。 自分たちが考えた表現にこだわりすぎず、実際の数字を見ながら改善していきましょう。 9. Meta広告の成果は、広告クリエイティブだけで決まらない 今回の話は、LPの添削が中心でした。 ただ、僕の中では、これもMeta広告の運用の一部だと考えています。 Meta広告の講座というと、広告管理画面の操作方法やクリエイティブの作り方、配信設定などをイメージする人が多いと思います。 もちろん、それらも重要です。 しかし、僕はもっと広い範囲で考えています。 例えば、 広告のキャッチコピーやクリエイティブ LPや商品ページの内容 Instagramの投稿や運用 LINEでのコミュニケーション メルマガの配信内容 商品そのものの魅力や独自性 お客様との関係づくり これらはすべて、広告の売上や費用対効果に関係しています。 いくら広告の配信設定を工夫しても、LPで商品の魅力が伝わっていなければ、購入にはつながりにくくなります。 反対に、LPのキャッチコピーや商品説明を改善するだけで、広告の成果が変わることもあります。 だからこそ、広告管理画面の数字だけを見るのではなく、ECサイト全体を改善することが重要です。 僕の中では、自社ECサイトの運営全体が、Meta広告の成果を最大化するための取り組みにつながっているという感覚です。 今後のサロンでも、AI活用やMeta広告の費用対効果を高める方法に加えて、実際のEC運営における具体的な改善事例や、事業を続けるための考え方などを取り上げていきたいと思っています。 単なる広告の操作方法だけではなく、実際に売上を伸ばすために何を改善すべきなのか。 そうした現場に近い話を、今後もしていく予定です。 10. 今日から自分のLPや広告を見直してみよう 今回の話を踏まえて、ぜひ自分のECサイトや広告を見直してみてください。 特に確認してほしいのは、次の5つです。 ① キャッチコピーは、お客様が本当に求めていることを表現できているか? きれいな言葉を使うことが目的になっていないでしょうか。 その言葉を見た人が、実際に商品を欲しいと思うかどうかを考えてみてください。 ② 商品のメリットが具体的に伝わっているか? 「心地よい」「豊かな時間」「自分らしく」といった抽象的な表現だけになっていないでしょうか。 お客様がどんな場面で、どんなメリットを得られるのかを説明してみてください。 ③ ほかの商品との違いを説明できているか? 独自性は、単に独特な言葉を使うことではありません。 原材料や製法、使い方、開発背景など、実際の商品にある違いを伝えることが重要です。 ④ 主張に対する根拠が示されているか? 「こだわっています」「高品質です」と言うだけでは不十分です。 なぜそう言えるのか、その理由を具体的に説明しましょう。 ⑤ 開発者の想いや努力を隠していないか? 商品の開発にどれだけ時間をかけたのか。 どんな問題を解決したくて作ったのか。 なぜ、この商品を世の中に届けたいのか。 そうした話は、商品の魅力を伝えるための大切な情報です。 おしゃれな世界観を守るために、必要な説明まで削ってしまわないようにしましょう。 まとめ:お客様が「今すぐ欲しい」と思う理由を言葉にしよう 今回、最も伝えたかったのは、キャッチコピーやLPを考えるときに、その言葉には本当に需要があるのかを確認してほしいということです。 自分たちが素敵だと思う言葉でも、お客様にとっては購入する理由になっていないかもしれません。 逆に、当たり前だと思って説明していなかった商品の特徴が、実はお客様にとって大きな魅力になっている可能性もあります。 だからこそ、商品の独自性を具体的に説明し、その主張を裏付ける根拠を伝える。 さらに、お客様の声を聞きながら、実際に求められているメリットを探していく。 この積み重ねが重要です。 僕自身も、すべての広告やLPで完璧にできているわけではありません。 だからこそ、常に見直しながら改善を続けています。 ぜひ今回の話をきっかけに、自分の広告やLPのキャッチコピーをもう一度確認してみてください。 たったひとつの言葉を変えるだけでも、広告の費用対効果が大きく変わる可能性があります。 「なんとなくいいね」で終わらせず、「これが欲しい」と思ってもらえる言葉を考えていきましょう。 音声はこちら▶︎