今回は、僕が新しく開発した「散歩トレ靴(ベアフットシューズ)」の販売開始にあたって、実際にどんな準備をしてきたのか、そしてAIを活用してどのようにLP(ランディングページ)を制作したのかについてお話しします。 今回のLPは、文章の作成から動画編集、Shopifyのページ構築まで、ほぼすべてAIを活用して制作しました。 正直、まだ完成度は60点くらいです。 ただ、実際に作業してみて、**「これからのEC運営は本当に大きく変わるな」**と感じました。 AIを使えば、これまで時間や費用がかかっていた作業を驚くほど短時間で進められます。 一方で、AIが進化すればするほど、人間にしかできないことの価値が高まっていくとも感じています。 今回は、商品開発から販売準備、AIを使ったLP制作、そしてこれからのEC事業者に求められることまで、実体験をもとにまとめていきます。 1. ついに散歩トレ靴の販売を開始しました 以前からお話ししていたベアフットシューズが、ようやく販売できる状態になりました。 今回の商品は、中国の工場で製造したオリジナルの靴です。 すでに500足が倉庫に入荷していて、在庫計上も完了しています。 ところが、実は商品が入荷した時点では、販売ページがまだ完成していませんでした。 普通のEC事業者であれば、絶対に避けたい状況です。 商品が届く前にLPを完成させて、入荷と同時に販売できるように準備しておくのが理想です。 ただ、今回については少し事情がありました。 僕自身、初めての中国製造による靴の販売だったので、本当に問題なく商品が届くのか不安だったんです。 パッケージは問題ないか 梱包状態は大丈夫か 商品に不良がないか サイズ感は想定どおりか 実物の品質に問題はないか こういったことを、まず自分の目で確認したかったんですね。 そして、実際の商品を手に取ってから撮影し、販売ページを作ることにしました。 食品やサプリメントとは違い、靴にはサイズ交換や返品、不良品対応といった問題があります。 お客様が購入後に困らないように、販売条件や対応方法を明確にしておく必要があります。 商品を販売することだけでなく、販売後に起こり得る問題まで考えておくことが大切です。 2. 今回のLPは、ほぼすべてAIで制作しました 今回、最も驚いたのがAIを活用したLP制作です。 これまで僕は、Shopifyのテンプレートや外部アプリを使って商品ページを構築してきました。 しかし今回は、Shopifyの標準テンプレートをほとんど使わず、AIに必要なセクションを作ってもらう方法を試しました。 使ったのは、主に次の3つです。 AIツール 担当した作業 ChatGPT LPの文章作成・構成案・訴求内容の整理 Claude 商品紹介動画・ショート動画の編集 Shopify Sidekick LPのセクション制作・ページ構築 人間がやったことは、基本的に商品の撮影と、どんな情報を伝えるべきかを考えることです。 もちろん、文章や画像を修正したり、レイアウトを調整したりする作業はあります。 それでも、これまでのLP制作と比べると、圧倒的に作業量が少なくなりました。 撮影も含めて、最初のLP制作にかかった時間は約2時間です。 完成度はまだ高くありませんが、短時間で販売開始できる状態まで持っていけたことに大きな可能性を感じました。 Shopify Sidekickが想像以上に便利だった 特に驚いたのが、ShopifyのAIアシスタント「Sidekick」です。 これまでなら、LPに新しいデザインやセクションを追加したい場合、テーマの機能を探したり、外部アプリを導入したりする必要がありました。 しかし今回は、Sidekickに対して、 「こういう情報を表示するセクションを作ってほしい」 と指示するだけで、必要なパーツを作成できました。 しかも、驚いたことにスマートフォンからでも作業ができたんです。 実際、販売ページを公開した後に、ジョギング中に追加したい内容を思い出しました。 そこでChatGPTに文章を作ってもらい、スマートフォンのShopifyアプリからSidekickを使ってセクションを追加しました。 あとは表示位置を調整するだけ。 パソコンを開かなくても、LPの修正ができてしまったんです。 これは本当に衝撃的でした。 ECサイトの制作や改善が、専門的な技術を持っていなくてもできる時代になってきたと感じています。 3. Claudeを使えば、動画編集も驚くほど簡単になる 今回、もう一つ大きな発見だったのがClaudeを活用した動画編集です。 LPには、商品の特徴を紹介する縦型動画を4本掲載しました。 この4本の動画は、すべてClaudeを使って編集しています。 しかも、今回の制作では一度も修正することなく完成しました。 4本合わせても、編集にかかった時間は約1時間です。 これまで動画編集には、それなりの時間が必要でした。 テロップを入れたり、文字のサイズを調整したり、カットのタイミングを決めたり。 ところが、AIを使うことで、こうした作業を大幅に省略できました。 Claudeで動画編集をする具体的な方法 僕が今回試した方法は、非常にシンプルです。 参考にしたい編集スタイルの動画を用意する その動画をClaudeにアップロードする 「この動画の編集スタイルを再現するためのプロンプトを作って」と依頼する 出力されたプロンプトを、自分のブランドに合わせて調整する 編集したい動画とプロンプトをClaudeに渡す 完成した動画をダウンロードしてLPに掲載する 参考動画をそのまま真似するのではなく、文字の色や大きさ、表示タイミングなどを変更して、自分なりの編集フォーマットにすることがポイントです。 一度フォーマットを作ってしまえば、次回からは同じプロンプトを使って動画を編集できます。 さらに、Claudeのブラウザ画面を複数開いておけば、複数の動画編集を並行して進めることもできます。 今回のように、同じ商品について切り口を変えた動画を複数制作する場合には、非常に便利です。 ただし、ファイル容量などの制約もあるため、すべての動画編集をAIだけで完結できるわけではありません。 AI編集動画は広告にも使えるのか? ここは少し注意が必要です。 僕の感覚では、現段階でClaudeが編集した動画を、そのままMeta広告に使うのはあまりおすすめしません。 なぜなら、今回の方法で制作した動画は、情報をわかりやすく説明することには優れていますが、広告として人の興味を引く力はまだ弱いと感じるからです。 もちろん、プロンプトの工夫によって改善できる可能性はあります。 ただ、僕自身は広告用の動画であれば、CapCutなどを使って自分で編集した方が精度を高められると感じています。 一方で、SNS投稿や商品説明用の動画であれば、AI編集でも十分に活用できると思います。 つまり、すべてをAIに任せるのではなく、用途によって使い分けることが大切です。 4. これからのLPは「動画+テキスト」が重要になる 今回のLP制作で意識したのは、消費者がどのように商品情報を収集するかということです。 僕は最近、ECサイトの商品ページは、もっとシンプルな構成でもいいのではないかと考えています。 今回のLPでは、次のような流れを意識しました。 ① メインビジュアル まず商品に興味を持ってもらう ② 4種類の商品紹介動画 異なる切り口から商品を理解してもらう ③ 商品スペック・特徴 具体的な仕様を確認してもらう ④ 詳細な説明テキスト 商品の価値や選ぶ理由を伝える ⑤ オーナー自身のプレゼン動画 開発者の考えや想いを伝える ⑥ 購入・サイズ選択・FAQ 不安を解消して購入につなげる 商品に興味を持った人は、より詳しい情報を知りたいはずです。 そのときに、文章だけではなく動画でも確認できるようにしておく。 さらに、商品について深く知りたい人には、テキストでしっかり説明する。 そして、最後にオーナー自身が商品について語る動画を見てもらう。 こうした複数の情報提供方法を用意することで、消費者が自分に合った方法で商品を理解できるようになります。 ただし、現段階ではまだ仮説です。 今回のLPも、情報を並べているだけの部分が多く、提案型のセールスページとしては改善の余地があります。 今後は、実際の販売状況を見ながら、構成や文章を調整していきたいと考えています。 5. 「ベアフットシューズ」では日本人に伝わらない 今回の商品を販売するにあたって、特に難しいと感じたのが商品の伝え方です。 今回開発した靴は、一般的には「ベアフットシューズ」と呼ばれるカテゴリーの商品です。 海外では知られているカテゴリーですが、日本ではまだ一般的な言葉とは言えません。 例えば、 「ベアフットシューズを販売します!」 と言われても、ほとんどの人は何がいいのかわからないと思います。 そもそもベアフットシューズとは何なのか。 なぜ履く必要があるのか。 普通のスニーカーと何が違うのか。 こうしたことを説明しない限り、購入にはつながりません。 商品カテゴリーではなく、生活者のニーズから伝える 今回の靴は、非常に薄いソールが特徴です。 一般的なクッション性の高いスニーカーとは違い、地面の凹凸を感じやすく、足の動きを意識しやすい構造になっています。 僕自身、実際に3か月ほど履き続けてきました。 普通のスニーカーとは歩いたときの感覚が大きく異なり、長時間歩くと足が疲れることもあります。 だからこそ、この靴を単に「履き心地のいい靴」として販売するのは違うと思っています。 僕が考えたのは、日常の散歩を運動の機会として捉えるという提案です。 例えば、 「運動しなければいけないと思っているけれど、ジムに通うほどではない」 「ジョギングを始めるほど本格的ではないけれど、少し体を動かしたい」 こういった人たちに対して、普段の散歩から運動を意識してみませんか、と提案する。 これなら、ベアフットシューズという言葉を知らない人にも、商品の使い方をイメージしてもらいやすくなります。 商品カテゴリーを説明することと、商品が欲しくなる理由を伝えることは別です。 ECで商品を販売するなら、消費者が理解できる言葉に置き換えることが重要だと思います。 なお、足への負荷や身体機能への影響については個人差があります。薄底の靴がすべての人に適しているわけではないため、販売時には効果を断定せず、特徴や使用上の注意を正確に伝える必要があります。 6. 商品の良さを伝えるだけでなく、購入時の不安を解消する 今回、靴を販売するうえで特に気になったのがサイズ選びです。 食品やサプリメントであれば、基本的にサイズを選ぶ必要はありません。 しかし、靴の場合はサイズが合わなければ履くことができません。 今回のベアフットシューズは、つま先部分にゆとりを持たせた構造になっています。 また、履き口が柔らかく、足にフィットしやすい設計です。 僕自身は、足の実寸に対して約1.5cmの余裕を持たせる選び方が一つの目安になると考えています。 ただし、足の形や使用目的によって適切なサイズは異なるため、購入前に十分な情報を提供する必要があります。 サイズ交換にも対応する予定ですが、交換条件や手続きについてもわかりやすく記載しなければいけません。 今回のLPには、複数購入時の割引やFAQも設けています。 2足以上の購入で、1足あたり1,300円引きになるペア割も用意しました。 しかし、こうした情報を掲載するだけでは不十分です。 お客様が迷わず理解できる位置に情報を配置し、購入前の疑問を解消できる構成にすることが大切です。 AIを使えばページを簡単に作れますが、お客様がどこで不安を感じるのかを考えるのは、事業者自身の仕事です。 7. AIを使えば、SNSコンテンツの量産も現実的になる 今回のAI活用は、LP制作だけではありません。 最近、友人の高松さんと一緒にショート動画の制作も試しています。 やっていることは非常にシンプルです。 まず台本を考えて、実際に会話を撮影する。 その動画をClaudeに渡して編集してもらい、YouTubeに投稿する。 これだけです。 実際に6本ほど制作してみたところ、AIで編集した動画が、それまでの中で最も多い再生回数を記録しました。 約1,200回再生された動画もあります。 もちろん、再生回数だけで成功とは言えませんし、YouTubeの再生数のカウント方法なども考慮する必要があります。 それでも、短時間で制作した動画に反応があったことは、大きな発見でした。 これまでSNSを継続するうえで負担になっていたのは、撮影後の編集作業です。 しかし、その編集をAIに任せられるのであれば、発信のハードルは大きく下がります。 今後は、コンテンツの企画や撮影に集中し、編集はAIに任せるという運用が、より一般的になるのではないかと思います。 8. AIが進化するほど「人間力」が重要になる 今回、AIを使ってLPや動画を制作してみて、改めて感じたことがあります。 それは、AIが進化すればするほど、人間自身の価値が問われるようになるということです。 文章を書く。 動画を編集する。 Webページを制作する。 こうした作業は、これからどんどんAIに置き換わっていくと思います。 もちろん、専門的な技術がすべて不要になるわけではありません。 ただ、これまで専門スキルが必要だった作業を、誰でも一定の水準で実行できるようになることは間違いないと感じています。 では、そうなったときに何が重要になるのか。 僕は、人としての魅力や、事業者としての考え方だと思っています。 AIを使えるだけでは差別化できない AIを使えば、ある程度きれいなLPは誰でも作れるようになります。 動画も簡単に編集できるようになります。 しかし、商品そのものに魅力がなければ売れません。 消費者のことを理解していなければ、伝わる文章も作れません。 そして、事業者自身に考えや信念がなければ、他社との差別化も難しくなります。 AIは作業を助けてくれますが、事業の本質まで自動的に作ってくれるわけではありません。 だからこそ、これからは人としての優しさや良心、信頼される姿勢といった部分が、ますます重要になるのではないかと思います。 「何をやらないか」を決めることが大切 もう一つ、最近強く感じているのが、何をやらないかを決めることの重要性です。 AIによって、できることはどんどん増えていきます。 今まで時間がかかっていたことも、短時間でできるようになります。 しかし、できることが増えたからといって、すべてをやる必要はありません。 むしろ、自分が何を大切にするのか、何をやらないのかを明確にすることが重要だと思っています。 事業者として、どんな仕事をするのか。 どんな商品を扱うのか。 どんなお客様と向き合うのか。 そして、どんなことには時間を使わないのか。 こうした判断を積み重ねることで、自分自身の価値観や事業の方向性が明確になっていきます。 AIによって作業時間を減らし、その分を人間としての成長や、本当に重要な仕事に使う。 これが、これからの事業者にとって大切な考え方になるのではないかと思っています。 まとめ:AIでEC運営は簡単になる。でも売れる理由を作るのは人間 今回、散歩トレ靴の販売開始に向けて、ほぼすべてAIを活用してLPを制作しました。 実際にやってみて、EC運営の可能性が大きく広がったと感じています。 今回のポイントを整理すると、次のようになります。 ChatGPTでLPの文章や構成を作る Claudeで商品紹介動画を編集する Shopify SidekickでLPのセクションを構築する 動画とテキストを組み合わせて商品情報を伝える 商品カテゴリーではなく、お客様のニーズから訴求を考える サイズ交換や返品など、購入後の不安まで設計する AIで作業を効率化し、人間にしかできない仕事に集中する 今回のLPは、まだまだ改善が必要です。 キャッチコピーも、画像も、商品の説明も、もっと良くできると思っています。 ただ、AIを活用すれば、最初から完璧なものを作ろうとせず、まず公開して改善していくことが非常にやりやすくなります。 そして何より、僕自身が今回の商品を本当に気に入っていることが大きいです。 自分で開発した靴にロゴが入って届いたときは、想像以上にテンションが上がりました。 実際に履いてみても、デザインが気に入っていますし、日常生活の中で使いたいと思える商品になりました。 自分が本当に好きだと思える商品を作り、その魅力をどう伝えるか考える。 そのための作業をAIに手伝ってもらう。 これからのEC運営は、こういう形になっていくのかもしれません。 AIで「作ること」は簡単になる。でも、「何を作り、誰に、なぜ届けるのか」を考える力こそ、これからのEC事業者に求められるものだと思います。 音声はこちら▶︎