こんにちは、三浦卓也です。 今日はいつもの硬派なノウハウじゃなくて、「感情」と「決断」にフォーカスしたお話をしてみたいと思います。テーマは、売れなくなった商品を、どうやってもう一度動かすか。そして、値下げという選択肢にどう向き合ったか。 かつての主力商品、バターコーヒー ミウラタクヤ商店を語る上で欠かせない商品のひとつが、バターコーヒーです。2018年ごろ、月5,000箱以上売れて、累計で25万箱以上を記録したヒット商品。 でも、時代は変わる。 バターコーヒーのブームが落ち着き、パチモノも増え、売上は右肩下がりに。その後、プロテインやMCT系など他商品に主軸を移した中でも、リピーターのおかげで年1万箱は細々と売れ続けていた。でもそれだけ。 そんな商品に、改めて「向き合おう」と思ったのが2024年の7月。 売れてないなら、値段下げたらいいんじゃない? これ、安易な発想じゃありません。僕の中ではずっと引っかかってたこと。コーヒー粉末にしては高すぎる。広告で売る時代じゃないのに、通販価格を引きずってる。SNSで直接届けられるなら、価格もアップデートすべきじゃないか。 で、やりました。 1980円 → 990円(税込・10個まで) メルマガ・LINE中心にプロモーションしたところ、2週間で300箱以上が完売。広告費も最小限(5万円程度)に抑えて、在庫回転率もグッと向上。 今まで「高くて気になってたけど買えなかった」という人たちが動いてくれた。そして嬉しいことに、「他の商品もついで買い」する方が多かった。 回転率の爆上げで得た、3つのもの この“実験”で得たことは大きく3つ。 1. 在庫が動いたことでキャッシュフローが健全に 2. 新規の購入体験者が増え、将来のリピーター候補を得た 3. SNSやメルマガだけで売る感覚を養えた 特にSNS。広告を使わなくても、価値ある商品なら「直接届けて買ってもらう」って可能なんだと改めて実感しました。 だからといって安売り万歳ではない もちろん、何も考えずに値下げするのは悪手です。でも今回は、明確な戦略と仮説があった。 ・価格障壁を一時的に取っ払う・プロモーションで惹きつけて、試してもらう・次はリピーターへと繋げるために、適正価格で回す という流れです。 8月からは1490円に戻し、**「手に取りやすく、でも利益も出せる価格帯」**で回していきます。 ヒットは仕掛けより“乗っかり方”で決まる 話が少し逸れますが、バターコーヒーが過去にヒットした時の裏話も。 最初は9テンやAmazonなど複数モールで地道に販売。当時は「海外でバターコーヒーが流行ってるらしい」と聞きつけて商品化。でもそれが一気に火がついたのは、ある芸人さんがYahoo!ニュースで「バターコーヒーで20キロ痩せた」と取り上げられたこと。 そこで検索された先に、僕のアフィリエイト提携サイトが1位にいた。ここから一気に注文殺到 → Amazon1位獲得 → リスティング広告強化 → 自社サイトへの誘導。 つまり、仕掛けたんじゃなく**「ちゃんと波に乗った」**だけ。 ブルーオーシャンはもう見つからない。でも… 今は、真新しい“ブルーオーシャン”なんてほとんど存在しません。でも、マイクロヒットの波はまだまだある。 バターコーヒーにしても、チャコールドリンクにしても、海外の流行を早めにキャッチして、少しずつ仕込んでおいた商品が、ある日バズった。 そのときに「ちゃんと乗る準備ができていたか」が鍵です。 自社ECで売るということ モールでは価格競争が激しくて、儲かりづらい。でも、自社サイトなら高単価でも売れる可能性がある。その代わり、価値を伝えるコンテンツが不可欠。 価格で信頼を得るんじゃなくて、**「この価格でも納得できる理由」**をちゃんと届けることが、これからのECに求められる力だと、僕は思っています。 最後に:価値で勝負したい人へ 僕は、安売りだけで勝負するビジネスは推奨してません。だけど、“今”のために戦略的な値下げをすることは、悪じゃない。 実験的に値下げし、その結果を次につなげることで、「未来のための在庫回転」と「新しいお客さんとの接点」が得られるなら、それは“攻めの施策”です。 最後は、やっぱり“自分で決めた値段で、胸を張って売れる商品”を持つこと。 売上を作る手段は色々あっても、信じた商品を、信じた形で届ける。これが僕のやりたいECです。 音声はこちら▶︎