僕が「一人EC」を貫く理由——独立までのリアルと、続けるための現実的な指針 「人を雇わない」と最初に決めた。美談じゃない。生き抜くための選択だった。 序:ふわっと始まって、芯はブレない 今日は、僕が独立して「一人EC」を選び、今もそれを続けている理由を、ちゃんと書き残しておきます。きれいごとはなし。耳が痛いかもしれないけど、独立やフリーランスに興味がある人には役に立つはず。 地獄のワンルーム会社で学んだこと ・売上1〜2億の中小。社長・僕・年上の部下+事務の数名。距離が近い分、濃度も高い。 ・社長は「俺はマネジメント」と言いつつ、動かない。売れたときだけ顔を出す。 ・会議で放たれた忘れられない一言:「なんで俺がお前らの営業のために借金背負わなきゃいけねぇんだ」在庫を持たなきゃ売れないのは当たり前。融資はそのための燃料。それすら腹落ちしていないトップは、現場の努力を焼き尽くす。 この環境で僕は悟った。「組織を“つくる側”が未熟だと、人間関係は簡単に地獄化する」。そして決めた。人は雇わない。 「責任の単一化」が最強の効率化 一人でやる最大のメリットはシンプルです。 ・売れたら自分のおかげ。売れなかったら全部自分のせい。 ・責任の所在が1点に集約されると、意思決定が爆速になる。 ・無駄な社内政治・責任の分散・言い訳が消える。 「一人EC」は、勇ましいスローガンではなく最高効率の経営構造です。 お金の現実:固定費と社会保険は想像以上の重力 ・法人にすると社会保険料がエグい。毎月の固定費は、利益を静かに削る。 ・人を雇えば、給与+社保+教育コストが積み上がる。“雇用=成長”の幻想に飲まれないこと。 初期は“生存戦略”。固定費を極限まで軽くして、意思決定の余白を守る。 独立の裏側:かっこよくないスタート ・2011年結婚。2015年独立。配偶者は当時の僕より高収入。正直ずっと反対された。 ・僕もメンタルを崩し、会社に行けなくなった時期がある。最後は家族に「一年だけ好きにやってみろ」と背中を押されて踏み切った。 ・初年度売上約4,000万円、利益はほぼゼロ(税引き後で約10万円)。これが現実。 覚悟は美談じゃない。積み上げだけが景色を変える。 「努力不足」という不都合な真実 独立して食えない人の多くは、残酷だけど努力不足。24時間のうち18時間、半年〜1年を燃やし切れるか。スクール卒業や肩書きではなく、結果しか価値にならない。 「頑張るので仕事ください」は違う。頑張るのは前提。出すのは実績。 そのスクール、“卒業”で満足してないか 学ぶのはいい。でも「修了」がゴールになると、そこで止まる。英語が話せる、資格がある——だから何? 成果と結びついて初めて武器だ。 コンサル・支援会社の使い方(期待値の置き方) ・どの会社も100%の成功はない。事例は“2〜3/50”を切り出して語られがち。 ・良い会社のサイン:合わない案件を断る。営業せず、相談が来てから選ぶ。 ・依頼側の宿題:要件定義と実行力。ここが弱いと何を入れても結果は出ない。 一人EC運営の“強い指針” 1. 数字設計を先に置く例:月商400万円の根拠(客単価×購入点数×CVR×必要セッション)を紙に出す。 2. 波を作って取りに行く常時広告よりも、キャンペーン/セール/強い企画を“狙って差し込む”方が効く。 2. 直接線を太くするメール・LINEでの“指名コミュニケーション”は、300→400→500の壁を破る主戦場。 3. 固定費を増やさない外注・採用は「増収の確度が立った時だけ」。身軽さ=継続率。 Q&Aダイジェスト(ライブより) Q:月商300→400の壁?→ 僕は特にナシ。メルマガ・LINEの強化と短期の強企画で“無理やり一度”達成して経験値を積むのが近道。 Q:クラファン広告の最適化は?→ トラフィック目的でOK(ピクセル最適化が効かない環境では特に)。埋め込み可のプラットフォームなら売上最適化に移行。 それでも「一人」で立つか?——現場からの結論 ・目立てばハイエナも寄る。面倒は増える。 ・それでも、責任と自由が一致している今の働き方が、僕にとっての最適解。 “やれば数字はついてくる”は事実。だから、やる。数字で語る。言い訳はしない。 今日からできる3ステップ 1. 固定費を再点検:毎月の口座引落を洗い、事業成長に直結しない支出を切る。 2. 400万円設計表を1枚で作る:必要トラフィックとアクションを日割りに。 3. “今月の山”を決める:1つでいい。強企画(限定・セット・先着特典)を期日付きで走らせる。 終:美談はいらない。結果だけ持ってこい 独立はロマンじゃなく、現実の選択。一人でやると決めたら、責任は全部自分。その代わり、自由も全部自分。このバランスを呑み込める人だけが、静かに、長く、勝ち続けられる。 — ミウラ(41歳・まだまだ現役で積み上げ中) 音声はこちら▶︎