月商200万円を超えたリアル──50代向けヘアケアD2C、岩本さんの「接客EC」運用術 要約(3分で全体像) 商材:50代向けシャンプー&トリートメント(サロン発の自社開発) 体制:夫(美容師・顧客対応)×妻(EC運用・広告・制作)の二人三脚 売上:直近で月商205万円到達、うち約半分はリピートによる売上 勝因:Instagram→LINE相談→メルマガで補強→購入・定着という**“接客導線”** 失敗と学び:Amazonコンサルに120万円の市場調査費→“売れる逆算”の違和感で撤退/CPA暴騰期(4,000円)を既存顧客価値の深掘りで突破 指標:客単価目安1万円/原価率約30%/フォロワー100→1,000超へ 方針:モール横展開は打ち切り、Amazon併売は最小限。自社で体験と関係性を積み上げる 1)自己紹介と背景 ・50代の髪悩みに特化したシャンプー&トリートメントをD2Cで販売。 ・**夫(美容師)**が接客・個別相談、**妻(岩本さん)**が広告・クリエイティブ・設計。 サロン参加は昨年11月。試行錯誤を重ね、今期205万円を達成。 「“ECでも接客する”。当たり前のことをやり切っただけです。」 2)伸びた要因=“接客導線”を作り切った 認知→検討→購入→定着の一貫設計 1. Instagram:毎日更新を基本。レビュー/ビフォーアフターを高頻度で発信 2. LINE相談:悩みをヒアリング→夫が一次対応(サロン現場の知見で成約率UP) 3. メルマガ:LINEの説明を補強する読み物として配置(安心→理解→購入) 4. 広告:Instagramの“質”が上がるほどCPAが改善する相乗効果 「インスタの質が上がると広告効率も上がる。今は“0か100か”の世界。」 3)広告運用:動画に逃げず、まずは勝ち筋を深掘り ・クリエイティブは静止画中心で安定運用。 ・動画は“1本でいい”:作り込まず、開発者(夫)の素顔を出す“安心の証明”として再配信。 ・レビュー二次利用を徹底(投稿・ストーリーズ・広告)→社会的証明が効く商材。 実装メモ(最短案) ・30〜60秒:商品思想/対象悩み/使い方のコツを一筆書き→テロップ最低限→再配信 ・配置:LP直下の動画枠+リマーケ広告(初見=テキスト、再接触=動画) 4)リピート設計:LTVが売上の“下支え” ・先月の200万円のうち約100万円がリピート。 ・LINE・メルマガで使用感の変化やケア手順を定期補充→不安を先回り。 ・モール横展開は停止:価格や見せ方を自社基準に統一し、信頼とLTVを優先。 KPIの置き方(例) ・新規:CPA<粗利(初回時)。回収は2回目で完了が目標。 ・リピート:**30%→50%**を中期目標(コミュニケーション設計で可変)。 ・客単価:1万円を基準、セット率と定期化で押し上げ。 5)“失敗”が作った勝ち筋:遠回りの中身を公開 失敗1:Amazonコンサルに120万円の市場調査費 ・“売れる成分・キーワード”から逆算するプロダクトアウトに違和感。 ・融資前提が崩れ、調査だけで終了。 ・学び:顧客不在の数式は、短期的でも中長期の損失が大きい。 失敗2:CPA暴騰(〜4,000円) 12〜3月で効率悪化。 打ち手:「今いるお客さまに何ができるか」へ視点を戻す レビュー棚卸し→訴求再設計 クリエイティブを悩み粒度でチューニング 結果:広告の見方と設計が根本から更新された。 タイムライン(要点) 〜11月:導入・基盤づくり 12〜3月:CPA悪化→既存顧客価値の深堀り 直近:205万円達成/リピート比率≒50% 6)実務テンプレ(そのまま使える最短セット) Instagram(週7本運用の型) 月〜金: 1. レビュー解像度高め(悩み→行動→変化) 2. 使い方Tips(洗い方・乾かし方・頻度) 3. 成分思想(“なぜこの配合か”を噛み砕く) 4. ビフォーアフター(写真ルール統一) 5. FAQ(泡立ち、香り、相性) 週末:ライブ告知/ストーリーズ質問箱→LINEへ誘導 LINE(初回〜2週間の自動シナリオ例) Day0:ようこそ+悩みヒア→回答テンプレA/B(夫が微修正) Day2:使い方ミス3選+正解 Day5:レビュー掲載&“同じ悩みの人”のケース Day9:開発者挨拶(短尺動画) Day14:ケアチェックリスト→定期・セット提案 メルマガ(週1) 1本=1テーマ1解決。LINEで多かった質問を深堀り。 CTAは販売より“理解の次アクション”(ケア表DL/動画視聴/相談)。 広告クリエイティブ(3点だけ守る) 1. レビュー見出しをそのまま主見出しに 2. 1枚で悩み→解決の道筋が分かる構図 3. 再接触には開発者動画を回す(安心の補強) 7)チャネル戦略:あえて“やらない”を決める ・Amazonのみ最小限/自社ECに体験を集約。 ・“ランキング瞬間値”や過度な横展開は不採用。 ・目的は**“関係性の厚み”。短期の売上より長期LTV**。 「ECでも“美容室らしさ”を感じるお店を作る。」 8)数字のリアル ・客単価:目安1万円 ・原価率:約30%(量産で逓減進行) ・リピート比率:~50%(直近の200万円中100万円が既存) ・フォロワー:100→1,000超へ 9)これからの目標 ・年末500万円(繁忙期を含む) ・平時300万円キープ ・体験価値を磨き、**“美容室を感じるEC”**を確立 10)学びの核心(真似してOK) 1. ECでも接客をやる(Instagram→LINE→メルマガの三位一体) 2. レビューは設計資産(投稿・LP・広告に“再配置”して勝ち筋を固定化) 3. 開発者の顔を出す(1本動画で“安心”を届ける) 4. やらないを決める(短期の見せ筋より、長期の関係性とLTV) 5. 困ったら既存顧客へ戻る(価値の源泉は“いま居る人”) 終わりに:読者への一言 派手な裏ワザは要りません。接客ECを設計し、淡々と積み上げる。それが、月商200万円→安定300万円→繁忙500万円への最短路です。やれます。やり切りましょう。 音声はこちら▶︎