ECサイトのコンバージョン率を上げたい。 そう思ったとき、多くの人はすぐにデザインを変えようとします。 ボタンの色を変える。LPを作り直す。写真を撮り直す。導線を変える。 もちろん、それも大事です。 でも、僕がいろんなECサイトを見ていて、まず最初に直した方がいいと思うのは、もっと手前です。 言葉です。 もっと言うと、 「何を売っているのか」「誰のための商品なのか」「他と何が違うのか」「買うと何が変わるのか」 これが、ちゃんと伝わっていないECサイトがめちゃくちゃ多いです。 昨日、LINEで「ECサイトを見せてください。気になるところがあればコメントします」と呼びかけたんですが、いろんなサイトを見ていて本当に思いました。 売れない理由は、だいたいここです。 言葉が抽象的すぎる。 それっぽいことは書いてある。でも、何を言っているのか分からない。 これ、めちゃくちゃ多いです。 たとえば、 「私らしい時間を増やすブランド」「自分時間を整える」「幸せな時間を届ける」「あなたらしくいられる商品」 こういう言葉、よくあります。 雰囲気はあります。なんか良さそうな感じもします。でも、売れるかというと、かなり難しいです。 なぜなら、意味が人によって変わるからです。 「私らしく」って何ですか? 僕にとっての私らしさと、あなたにとっての私らしさは違います。「自分時間」もそうです。 家族と過ごす時間なのか。ひとりでお酒を飲む時間なのか。プラモデルを作る時間なのか。お笑い番組を見る時間なのか。メイクを楽しむ時間なのか。 人によって全然違います。 主語によって意味が変わる言葉は、基本的に伝わりにくいです。 ECサイトでは、まず情緒よりも機能です。 この商品は何なのか。誰のどんな悩みに役立つのか。他の商品と何が違うのか。 ここを先に伝えないといけません。 情緒的なコピーが悪いわけではありません。 ただ、情緒的な言葉で売れる場合は、その近くにちゃんと機能的な説明があります。 「何の商品か分かる」「何に役立つか分かる」「なぜ自分に必要か分かる」 この土台があって、初めて情緒が効きます。 たとえば、ペットトリマーさん向けのエプロンを販売しているブランドがあったとします。 商品自体はすごくユニークです。トリマーさんやグルーマーさんのための、かわいいエプロン。 でも、最初のコピーが、 「今日もこの子たちのために」 だったら、少し伝わりにくい。 言いたいことは分かります。ペットに向き合う仕事の尊さを表現したいのも分かります。 でも、初めて見た人からすると、 「で、これは何の商品なの?」 となります。 それならまず、 「トリマーさんのための、かわいい仕事用エプロン」 と言った方が分かりやすい。 分かりやすさは、売上に直結します。 別の例で言えば、 「男にとってちょうどいいコスメ」 というコピーがあったとします。 これもそれっぽいです。 でも、「男」って広すぎます。 20代なのか。30代なのか。40代なのか。乾燥肌なのか。脂性肌なのか。ヒゲ剃り後の肌荒れに悩んでいるのか。 全然違います。 だから「ちょうどいい」ではなく、もっと具体的にした方がいい。 たとえば、 「ヒゲ剃り後に乾燥しやすい40代男性のための、ベタつかない保湿コスメ」 ここまで言うと、対象者に刺さりやすくなります。 ECサイトの言葉で大事なのは、具体性と独自性です。 具体性とは、誰が読んでも意味が分かること。独自性とは、他の商品ではなく、自分の商品を選ぶ理由があること。 果物屋さんなら、ただ「おいしい果物を届けます」では弱いです。 果物屋さんは、たくさんあります。 だから、 「ギフトに特化している」「注文を受けた当日に仕入れる」「贈る相手に合わせて詰め合わせを提案する」「農家さんと直接やり取りしている」 など、他と違う理由を言わないといけません。 コーヒー屋さんなら、 「注文を受けてから焙煎します」 と書くだけで、選ぶ理由になります。 お客様は、瞬時に判断します。 この店は何の店なのか。自分に関係あるのか。他と何が違うのか。買う理由があるのか。 ここが分からないと、離脱します。 お店のドアを開けた瞬間に、店員さんが何を言っているのか分からなかったら、買いにくいですよね。 ECサイトも同じです。 ファーストビューの一言目で、何を言っているのか分からない。 これだけで、かなり損をしています。 だからコンバージョン率を上げたいなら、まず自分のECサイトを見直してください。 この文章は、初めて見た人に伝わるか。それっぽいだけになっていないか。主語によって意味が変わる言葉を使っていないか。他社との違いが分かるか。お客様の悩みに具体的に触れているか。 ここを見るだけでも、改善点はたくさん出てくるはずです。 あと、独自性がないと思っている人も多いですが、そんなことはありません。 スペックで差がないなら、なぜ作ったのかを語ればいい。 何を伝えたくて作ったのか。お客様にどんな変化を起こしたくて作ったのか。どんな悩みを見て、この商品が必要だと思ったのか。 そこに独自性があります。 ただし、自分の思いだけを一方的に語っても売れません。 大事なのは、お客様の求めていることと接続することです。 「自分が言いたいこと」と「お客様が知りたいこと」は違います。 ここがズレると、良い商品でも伝わりません。 たとえば、手仕事で作っている子ども用の帽子ブランドがあったとします。 作り手としては、 「職人が丁寧に作っています」「人の手から生まれる物語です」「手仕事を大切にしています」 と言いたくなるかもしれません。 もちろん、それは素晴らしいです。 でも、お客様が最初に知りたいのはそこではないかもしれません。 「子どもにかぶせたら、めちゃくちゃ可愛い」「普段の服に合わせるだけでおしゃれに見える」「子どもが気に入って、家でもかぶっている」「他の帽子は嫌がるのに、これはかぶってくれた」 こういうことかもしれません。 だったら、最初に伝えるべきは、お客様が感じている価値です。 手仕事の背景は、その後でいい。 理念は大事です。でも、理念だけでは売れません。 正論として素晴らしいことと、買う理由になることは別です。 だから、お客様の声を見直してください。 なぜ買ってくれたのか。どこを褒めてくれたのか。どんな言葉で悩みを話していたのか。購入後に何を喜んでくれたのか。 そこに、売れる言葉の材料があります。 サービス業でも同じです。 たとえば「インストラクターです」と言われても、何のインストラクターか分かりません。 パソコン教室のインストラクターかもしれない。運動のインストラクターかもしれない。顔のトレーニングのインストラクターかもしれない。 だから、 「表情筋を整える顔のトレーニング講師です」 のように、目的語を入れる。 さらに、 「ほうれい線が気になる人へ」「顔のたるみが気になってきた40代女性へ」「講師が実際に顔の筋肉の状態を見ながら、動かし方をアドバイスします」 ここまで具体的にすると、伝わり方が変わります。 「対面レッスンだから効果的です」 では弱いです。 なぜ対面だと良いのか。 講師が顔の筋肉の状態を見るから。動かし方のクセをその場で修正できるから。自分では気づけない表情の使い方を見てもらえるから。 ここまで言って、初めて価値が伝わります。 簡単に言いすぎると、良さが消えます。 良いサービスを提供しているのに、言葉を簡素化しすぎて伝わらない。 これは本当にもったいないです。 だから、少し回りくどくていいんです。 むしろ、最初は回りくどいくらい具体的に考えた方がいい。 その上で、最後に短いコピーにする。 いきなり短くしようとすると、中身が薄くなります。 今日の話をまとめると、ECサイトのコンバージョン率を上げたいなら、まず言葉を見直してください。 特に見るべきポイントはこの4つです。 1つ目。何の商品か、一瞬で分かるか。 2つ目。誰のどんな悩みに向けた商品か、具体的に書けているか。 3つ目。他社と何が違うのか、明確に伝えているか。 4つ目。「私らしく」「自分時間」「幸せ」みたいな、主語で意味が変わる言葉に逃げていないか。 これだけでも、かなり変わります。 LPを作り直す前に、まず言葉です。 デザインを変える前に、まず言葉です。 広告費を増やす前に、まず言葉です。 商品が悪いのではなく、伝え方が悪いだけのケースは本当に多いです。 逆に言えば、そこを直せば伸びしろがあります。 ECサイトのコンバージョン率が低いと感じている人は、一度トップページを見直してみてください。 その一言目で、お客様は理解できるか。その文章で、お客様は欲しくなるか。その表現で、他ではなく自分の商品を選ぶ理由が伝わるか。 もし伝わっていないなら、まだ改善できます。 具体性と独自性。 この2つを意識して、言葉を磨いてみてください。 たぶん、ECサイトはもっと売れるようになります。 音声はこちら▶︎