カテゴリー戦略を考えるとき、僕はずっと「お客様の声を聞きましょう」と言っています。 これは間違いないです。 ただ、ここで一つ問題があります。 お客様の声を集めても、カテゴリーが見えないことがある。 これ、普通にあります。 なぜなら、お客様は必ずしも自分がなぜ買ったのか、何に価値を感じたのかを、正確に言語化できるわけではないからです。 「なんとなく良かったです」「かわいいと思いました」「使いやすいです」 もちろんありがたい声です。でも、カテゴリー戦略を作るには、もう少し深掘りが必要です。 じゃあ、どうするのか。 そのときに大事なのが、自分の仮説を持つことです。 お客様の声を聞く前に、自分の商品は業界の中でどういう位置にあるのか。どんな人に刺さる可能性があるのか。なぜ自分はこの商品を作ったのか。 ここを一度、自分に聞きまくる。 これがめちゃくちゃ大事だと思いました。 たとえば、エプロンを売っているとして、ただ「高品質なエプロンです」と言っても弱い。 でも、作り手の中に、 「エプロンだからといって、くたびれて見えるのが嫌だった」「紐がクタッとしているだけで生活感が出るのが嫌だった」「だから、紐までパリッと見えるように設計した」 みたいなこだわりがあるなら、そこにカテゴリーの種があります。 これは、ただのエプロンではなく、「エプロン姿まで美しくありたい人のためのエプロン」かもしれない。 こういう言葉は、お客様の声だけを眺めていても出てこないことがあります。 だから、自分に聞くんです。 なぜ作ったのか。どこに腹が立ったのか。業界の何に違和感があったのか。他の商品と何が違うのか。自分なら、なぜこれを選ぶのか。 ここを掘る。 カテゴリー戦略は、机の上で綺麗に考えるものではありません。 お客様の声。業界の状況。競合の商品。自分のこだわり。商品のスペック。作った背景。 これらを全部並べて、「つまり、これは何の商品なのか?」を考え続ける作業です。 正直、めちゃくちゃ時間がかかります。 50分話しても、まだ答えが出ないこともあります。 でも、それでいいです。 カテゴリー戦略は、パッと思いつくキャッチコピーではありません。 むしろ、簡単に出てきた言葉ほど、だいたいどこかで見たことがある言葉だったりします。 「高品質」「こだわり」「丁寧な暮らし」「本物志向」 こういう言葉は便利です。便利なんですけど、便利すぎる。つまり、誰でも使える。 誰でも使える言葉で、唯一無二の商品を説明してしまうのは、めちゃくちゃもったいないです。 だから、もっと自分の中にある細かすぎるこだわりを出した方がいい。 「そんな細かいこと言っていいのかな?」と思うことほど、実は価値だったりします。 エプロンの紐がくたびれているのが嫌。毛穴ケアの中でも、どの毛穴悩みに向き合うのか。ストールのどんな産地、技術、背景に価値があるのか。プロテインではなく、カロリーの質を高める飲料として提案できないか。 こういう細かい視点が、カテゴリーを作る入口になります。 おすすめの方法は、ChatGPTに質問してもらうことです。 「自分の商品はこういうものです」「カテゴリー戦略を考えたいです」「商品の良さを浮き彫りにしたいので、10個質問してください」 こう投げてください。 そして、その質問に対して、自分で話しながら答える。 できれば録音してください。その録音を文字起こししてください。そして、その文字起こしをまたChatGPTに入れて、 「私は何を言いたいのか整理してください」「この商品の独自性を抽出してください」「カテゴリーになりそうな言葉を出してください」 と聞く。 これ、かなり使えます。 自分の頭の中にあるものは、出さないと見えません。 考えているつもりでも、頭の中だけだとグルグルします。 でも、喋る。文字にする。整理する。また質問する。 これを繰り返すと、自分の商品が何者なのかが少しずつ見えてきます。 特に、SNSで強い影響力を持っていない小さなブランドほど、カテゴリー戦略は大事です。 影響力で売れる人は、それはそれで強いです。でも、そうではないブランドが戦うなら、「何の商品なのか」「誰のどんな悩みを解決するのか」「なぜ他ではなくこれなのか」 ここを言葉にしないといけない。 カテゴリー戦略は、弱者の戦略です。 大手と同じ言葉で戦わない。競合と同じ土俵に乗らない。自分の商品が一番強く見える場所を探す。 そのためには、お客様の声を聞くこと。業界を見ること。競合を見ること。そして、自分に聞くこと。 この全部が必要です。 情報収集しても答えが出ないときは、自分の商品の中に答えがあるかもしれません。 なぜ作ったのか。何が嫌だったのか。どこにこだわったのか。誰に届けたいのか。 そこをしつこく聞いてください。 自分の声を聞く。 これ、地味ですが、EC運営のレベルをかなり変えると思います。 音声はこちら▶︎