自社ECは、商品点数を増やすほど売れるのか? 今回は、 「自社ECは商品点数を増やすほど売れるのか?」 という話と、後半では 「オンラインサロンをもっとこういうふうに使ってほしい」 という話をしたいと思います。 商品点数については、特に楽天やAmazonなどのモール出身の方から、 「ECサイトの商品数を増やそうと思っているんですが、どう思いますか?」 「商品点数を増やせば、もっと売上は上がりますか?」 という相談をいただくことがあります。 まず結論から言うと、商品点数を増やせば、売上が上がる可能性は高いと思っています。 ただし、 「商品数を増やせば、EC運営そのものが良くなるのか?」 と聞かれたら、僕はかなり反対です。 なぜなら、商品が増えるほど「管理コスト」が増えていくからです。 EC運営には「売上につながる仕事」と「管理するための仕事」がある 僕はEC運営の仕事を考えるとき、 売上に直結する仕事 売上に直結しない管理の仕事 を分けて考えるようにしています。 商品点数を増やすことは、もちろん売上を作るための仕事でもあります。 ただ、その一方で商品を一つ増やすだけでも、いろいろな管理業務が発生します。 たとえば、 商品を仕入れる。 在庫を管理する。 在庫が減ったら発注する。 欠品したら販売ページを変更する。 再入荷したら再び販売できる状態にする。 「再入荷しました」とお客様に告知する。 欠品と注文が入れ違いになってしまったら、お客様に連絡してキャンセルなどの対応をする。 メーカーからの商品到着が遅れているなら、それをお客様に説明する。 商品を発送した後にも、配送状況について問い合わせが来るかもしれない。 こういった作業が、SKUの数だけ発生していくわけです。 もちろん、これらもEC運営に必要な仕事ではあります。 ただ、 「この作業そのものが、新しい売上を作っているのか?」 と考えると、必ずしもそうではありません。 パソコンに向かって在庫を更新したり、商品ページを修正したりしていると、すごく仕事をしている感じがします。 でも僕からすると、できるだけ減らしたい仕事でもあります。 EC運営で本当に時間を使いたいのは、商品を管理することではなく、どうやって商品を売るかを考えることだからです。 モールでは「商品数を増やす」が正解になりやすい ここで重要なのが、楽天やAmazonなどのモールと、自社ECを分けて考えることです。 モール運営を経験している人が、 「商品数を増やせば売れる」 と考えること自体は、全然間違っていません。 なぜなら、モールでは商品点数を増やすこと自体が、集客施策の一つになり得るからです。 楽天やAmazonには、そもそも 「商品を買いたい人」 が集まっています。 そのため、検索対策をして商品を登録し、検索結果に表示される商品を増やしていけば、それだけお客様との接点を増やせます。 つまりモールでは、商品登録という作業が「管理」だけではなく、かなり直接的に「販売」にもつながっています。 在庫管理などのオペレーションコストが増えたとしても、商品を登録することで売れる確率も上がる。 だから、 「商品点数を増やして売上を伸ばす」 という戦略が成立しやすいんです。 自社ECは商品を登録しただけでは人が来ない 一方で、ShopifyやBASEなどを使った自社ECは事情が違います。 自社ECの主な集客経路は、 SEO、SNS、広告、メルマガ などです。 商品を10個から20個に増やしたからといって、それだけでアクセスが2倍になるわけではありません。 商品を登録したからといって、勝手にお客様が見つけて買ってくれるわけでもない。 ここがモールとの大きな違いです。 モールは「商品を探す場所」ですが、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでは、商品だけでなく幅広い「情報」が探されています。 その中で自社ECの商品ページを作ったとしても、商品情報が埋もれてしまう可能性は高い。 つまり自社ECでは、商品を登録するだけでは売上につながらず、管理コストだけが増えるケースが非常に多いんです。 商品を10個に増やすより、1商品の情報を10倍にする だから僕は、自社ECであれば単純に商品点数を増やすよりも、 一つの商品について、もっと丁寧に情報を増やしていく ことをおすすめします。 商品ページを改善する。 ブログを書く。 お客様からよく聞かれる質問に答える。 SNSで商品の魅力を伝える。 動画を作る。 メルマガで商品の使い方を説明する。 こうやって一つの商品に対する「プレゼンテーション」を強くしていく。 僕はその方が、自社ECでは売上につながりやすいと思っています。 もちろん例外もあります。 たとえば、ものすごくニッチなカテゴリーの商品を扱っていて、 「この商品を買えるのはほぼうちだけ」 という状態を作れているなら、商品点数を増やす戦略も十分ありです。 検索すれば自社サイトが出てきて、そこでしか買えないのであれば、商品数を増やすほど売上につながる可能性があります。 ただ、多くの自社ECではそうではありません。 「商品を増やす=集客が増える」ではない。 ここはかなり重要です。 SKUが増えるほど、見えない仕事も増えていく 商品点数を増やすときに、もう一つ考えてほしいのがSKUの管理です。 在庫が切れたら発注する。 メーカーから商品が届くまで待つ。 欠品中ならお客様へ説明する。 商品ページを停止する。 入荷したら販売を再開する。 場合によっては、欠品しているのに注文を受けてしまい、お客様へ謝罪してキャンセルすることもあります。 こういう細かな仕事が、商品数に比例して増えていきます。 僕自身、こうした在庫管理や発注、販売停止・再開といった作業を「できるだけ減らしたい管理コスト」だと考えて、実際に商品を削ってきました。 三浦拓哉商店でいうと、現時点で僕が理想としているSKU数は10前後です。 僕自身、単品通販的な考え方をおすすめすることもありますが、それでも商品を一つだけにする必要はないと思っています。 重要なのは、 「何となく増やさないこと」 です。 売れ続ける商品ほど「やめる」のも難しい 健康食品などのリピート商材では、もう一つ難しい問題があります。 それは、 一度売った商品は、簡単にやめられない ということです。 三浦拓哉商店も、もともとはバターコーヒーを中心に伸びたショップでした。 ただ現在は、バターコーヒーのお店というより、ファスティングやプロテインなどを扱うショップへシフトしています。 そうなると、バターコーヒー関連の商品は少しずつフェードアウトしたくなります。 ところが、長く購入してくださっているお客様がいる。 何も広告を出さなくても、リピートだけでかなりの数量が売れる。 そうすると、簡単には販売終了できません。 一方で販売数量が減ってくれば、発注単価が上がって利益率が下がることもあります。 大量に発注すると、今度は賞味期限の問題が出てくる。 このように、 商品を一つ世の中に出して、お客様へ届け続けること自体に大きなオペレーションコストがある んです。 だから僕は、SKUを増やすときはかなり慎重に考えた方がいいと思っています。 「商品を増やすこと」が目的になったら危険 繰り返しますが、商品を増やせば売上が上がる可能性はあります。 ただし、 「商品点数を増やせば売上が上がりそうだから、とりあえず商品を増やそう」 という考え方は危険です。 僕が良いと思うのは、 自分が本当に売りたい商品がある。 その商品について熱意を持ってプレゼンテーションできる。 その結果として商品数が増え、売上も増えていく。 という流れです。 これは健全です。 反対に、 「商品登録をたくさんしておけば、そのうち何かが売れるだろう」 という発想で自社ECを運営すると、かなり高い確率で苦しくなると思います。 商品を増やすこと自体を目的にしない。 一商品ごとに、 「この商品をどう売るのか?」 「どんな情報を伝えるのか?」 「継続的に発信できるのか?」 まで考えてから増やす。 これが自社ECでは重要です。 そして、オンラインサロンはもっと気軽に使ってください ここからは、もう一つお伝えしたかったオンラインサロンについてです。 最近、僕自身かなり意識しているのが、 「ユーザーボイスからコンテンツを作る」 ということです。 これはオンラインサロンだけではなく、三浦拓哉商店の運営でも同じです。 商品を販売する。 お客様が増える。 お客様から質問や相談が来る。 その質問に答える。 そして、その回答をブログやYouTubeなどのコンテンツにする。 僕は、この繰り返しがものすごく解像度の高いEC運営につながると思っています。 自分の頭だけで、 「次は何を発信しようかな?」 と考えなくてもいいんです。 お客様が実際に困っていること、疑問に思っていることに答えていけば、それがそのまま価値のあるコンテンツになります。 一人の細かい悩みは、他の誰かも悩んでいる たとえばダイエットで、 「看護師で夜勤があるので、なかなか痩せられません。どうしたらいいですか?」 という質問が来たとします。 一見すると、ものすごく個人的な相談ですよね。 でも会員さんがたくさんいれば、その中には同じように夜勤で悩んでいる人が必ずいます。 あるいは、 「体重が100kgあって、コンビニ弁当や唐揚げばかり食べています。健康診断にも引っかかってしまったので痩せたいです」 という相談が来る。 だったら、 「体重100kgの男性が、まず何から始めればいいのか?」 というコンテンツを作ればいい。 こういう細かな悩みに答えるコンテンツは、いくらあってもいいと思っています。 そして、オンラインサロンでも同じことをやりたいんです。 「こんな細かいこと聞いていいのかな?」をなくしたい サロンメンバーの皆さんには、もっと気軽に質問してほしいと思っています。 ECを運営していれば、 「これってどうなんだろう?」 「このやり方で合ってるのかな?」 「三浦だったらどう考えるんだろう?」 という疑問が日々出てくると思います。 そういうものを、公式LINEから気軽に送ってください。 最近の例でいうと、 「お盆休み期間中の広告って、どう考えていますか?」 という質問がありました。 かなり細かい話ですよね。 でも、こういう質問こそ面白いんです。 僕の場合は基本的に、 「広告の費用対効果が良ければ回すし、悪ければ下げる」 という考え方です。 ただし、物流が止まるショップと、お盆中も発送できるショップでは条件が違います。 うちはお盆期間中も物流が動いているので、 「休み中も発送しています」 と告知すれば、普通に購入していただける手応えがあります。 一方、物流が完全に止まり、お客様の購買行動も落ちるのであれば、広告効率を見ながら予算を下げる判断もある。 こういう話は一般論では答えにくく、そのショップの状況によって答えが変わります。 でも、実際にECを運営している人が知りたいのは、こういう細かな各論なんじゃないかと思っています。 細かすぎるECの話こそ、サロンで扱いたい EC運営の細かな各論って、意外と誰も発信していません。 「売上を伸ばす方法」 「広告運用の基本」 みたいな大きなテーマはたくさんあります。 でも、 「お盆期間中の広告費ってどうする?」 「この在庫量なら追加発注する?」 「このクリエイティブ、いつ止める?」 みたいな細かいテーマは、なかなかコンテンツになりません。 僕はむしろ、そこをやっていきたいと思っています。 それが自分の経験を一番活かせる部分だと思うし、このサロンならではの価値にもなると思っています。 過去に同じ質問があっても気にしなくていい 質問するときに、 「以前にも同じテーマが出ていたかもしれませんが……」 と気にしてくださる方もいます。 これは、基本的に気にしなくて大丈夫です。 僕自身、同じことを何十回でも話すつもりでサロンをやっています。 もちろん1週間前にまったく同じテーマを話したのであれば、 「この日の音声を聞いてみてください」 とお返しすることはあると思います。 でも、 「昔話していた気がするから質問しづらい」 と思う必要はありません。 聞きたいことがあれば聞いてください。 一度相談して終わりではなく「やってみた結果」も教えてほしい さらに言えば、 「以前こういう相談をしました」 「教えてもらった方法を実際にやってみました」 「こういう結果になったんですが、次はどうしたらいいですか?」 という相談も大歓迎です。 むしろ、こういうやり取りが増えてほしいと思っています。 相談する。 実行する。 結果を見る。 また相談する。 この繰り返しができれば、一般論ではなく、その人のECに合わせた話ができます。 もちろん、内容が非常に重たく、テキスト一往復では答えられないものについては、個別相談など別の方法を案内することもあります。 でも、LINE一本で返せるような相談なら、まだまだ全然対応できます。 ECだけじゃなく、僕に聞いてみたいことなら聞いてください そして、サロン自体は「EC」という切り口で運営していますが、質問をECだけに限定する必要もないと思っています。 ブランドについて。 経営について。 仕事について。 場合によっては子育てなどについて。 僕の経験や考えを聞いてみたいのであれば、聞いてもらって構いません。 ただし、一つだけ理解してほしいのは、 僕が「正解」を持っているわけではない ということです。 ECについて、 「こういう傾向がある」 「こうした方が売上につながる可能性が高い」 という話はできます。 でも、すべての質問に唯一の正解があるわけではありません。 だからこそ、 「正解を教えてください」ではなく、「三浦だったらどう考えますか?」くらいの感覚で聞いてもらえればいい と思っています。 サロンは「見る場所」ではなく「使う場所」にしたい 今、サロンにはアクティブに参加してくださっている方が約430人います。 もちろん430人全員から一気に連絡が来たら、 「すみません、ちょっと無理でした」 となるかもしれません(笑)。 ただ、現状はまだまだ余力があります。 僕自身、ここ数ヶ月は特にコミュニティを意識していて、 「どうしたらもっと参加しやすくなるか?」 を考えています。 そして今後は、 サロンメンバーの声からコンテンツを作り、そのコンテンツがまた別のメンバーの役に立つ という循環をもっと作っていきたいと思っています。 質問が長くなりそうな場合も、ブランド名などを伏せる許可をいただければ、YouTubeなどで10分程度話して回答するような形も考えています。 一人の相談が、同じことで悩んでいる何十人ものメンバーの役に立つ。 そういうサロンにしていきたいです。 商品もサロンも「増やす」より、まず深くする 今回の2つの話は、一見するとまったく別のテーマです。 でも僕の中では、実は共通しています。 自社ECでは、ただ商品数を増やすのではなく、一つの商品を深く伝える。 オンラインサロンでは、ただコンテンツ数を増やすのではなく、メンバー一人ひとりの具体的な悩みを深く拾う。 「数を増やせば何とかなる」という考え方ではなく、一つひとつの解像度を上げていく。 その積み重ねの方が、結果的に強いECやコミュニティにつながっていくと思っています。 なので商品を増やそうと思っている方は、一度、 「この商品を増やしたら、売上だけでなく管理コストはどう変わるか?」 を考えてみてください。 そしてサロンメンバーの皆さんは、 「こんな細かいこと聞いていいのかな?」と思うことほど、ぜひ聞いてください。 そういうリアルな疑問から、これからのコンテンツを作っていきたいと思っています。 音声はこちら▶︎