メタ広告を「休む」とき、どう運用するか?
そして、素材はどこからどう集めるのか?
今日は、サロンでよく聞かれるこの2つのテーマについてまとめておきます。
・休養・療養などで「1.5か月くらいほぼ働けない」時に、メタ広告をどうするのか
・広告で使う写真や動画の「素材」をどう集めて、どう差別化しているのか
ついでに、最近のメタ広告の“暴走”気味な挙動や、プラットフォームから出てくる「これをオンにすると効果◯%向上します」系の注意書きをどう扱うか、僕のスタンスも正直に書いておきます。
休業中のメタ広告、「止める」か「細く回す」か
まず大前提として、僕自身はこれまで「長期休業」をしたことがありません。
なのでここで話しているのは、あくまで経験と妄想とロジックから組み立てた「こう考えるのが現実的じゃない?」という話です。
パソコンもスマホも触らないなら、100%止める一択
1.5か月の休養期間中、
・パソコンも触らない
・スマホもほぼ見ない
・発送も一切できない
というレベルで休むなら、広告は迷わず全部止めた方がいいです。
理由はシンプルで、注文が入っても対応できない状態は、もうビジネスとして成り立っていないからです。
「お休み中です」と告知していても、一定数は注文してくれます。
でも発送ができない・返信が遅れる状態を放置すると、信頼は確実に削れます。
このパターンなら、
・広告は完全停止
・販売も一時停止、あるいは「予約販売」など別の設計に切り替える
くらい、いっそ割り切った方がいいと僕は思います。
「1日30分だけ仕事できる」なら、ASCを少額で細く回す
次に多いパターンが、
・出荷とカスタマー対応はなんとかできる
・ただし、1日30分〜1時間くらいしか時間が取れない
・新しいクリエイティブを作る余力まではない
というケース。
この場合は、アドバンテージショッピングキャンペーン(ASC)を予算落として細く回すのが現実的です。
やることはシンプルで、
・今の広告予算の「3分の1〜5分の1」くらいまで落とす
・事前にクリエイティブを15本くらい突っ込んでおく
・休養中は「新規入稿は一切しない」
この状態で、スマホのメタ広告マネージャーアプリだけで運用します。
・配信状況と売上のざっくり確認
・明らかにおかしい動きをしているキャンペーンがあれば「止める」
ここまでなら、1日数分の確認でなんとか回せます。
「怖いから完全には止めたくない」の気持ちもわかる
「1人でやってるから、自分が止まると全部止まるのが怖い」という声もあります。
その気持ちはめちゃくちゃよくわかります。
ただ、出荷ができないのに売上だけ取りに行く広告運用は、ほぼ事故確定です。
・納品が遅れる
・お客様が不安になる
・レビューが荒れる
・結果としてLTVが落ちる
短期的な売上より、長期の信頼を優先した方がトータルでは勝ちやすいです。
「どうしても売上の谷を作りたくない」なら、
クラファン的な先行予約販売という手もありますが、これは仕組みをきちんと設計してからやるべき話ですね。
中長期的には「物流の外注」は真剣に検討した方がいい
僕自身、3年前まで自分で出荷していたので、長期で休めませんでした。
正直、一番楽になったのは物流を外注した瞬間です。
もちろん、取り扱う商材がセンシティブだと気軽には委託できません。
それでも、
・一部SKUだけ外注してみる
・梱包だけ外注してラストのチェックだけ自分でやる
など、段階的に切り出す余地はあるかもしれません。
「自分が動けないときに、ビジネス全体が完全停止しない状態」をどう作るかは、広告より前に向き合うべきテーマだと思っています。
広告素材はどこから集める?僕のやり方
次のテーマは「広告の素材集め、みんなどうしてますか?」問題。
僕がやっていることは、めちゃくちゃシンプルです。
・写真・バナー → 基本はCanva+自分のスマホ
・動画 → Canvaの動画素材+テキスト+音楽で作る
ストック画像は「他社が絶対選ばなそうなやつ」を探す
Canvaには素材が山ほどあります。
「ダイエット」「プロテイン」みたいなワードで検索すると、“それっぽい”画像はいくらでも出てきます。
だからこそ、みんな同じような画像を使ってしまう。
実際にお客様から、
「他の胡散臭いダイエットサプリと同じ画像使ってましたよ。
せっかく中身はいいのにもったいないです」
と、何度か言われたことがあります。
それ以来、僕がやっているのは、
・多くの会社が好みそうな「いかにもダイエットっぽい写真」を避ける
・「他社だったら絶対採用しないだろうな」と思う写真をあえて選ぶ
・テキストの内容とは完全一致してないけど、「なんか気になる」微妙なズレを作る
この3つです。
要は、意外性のあるビジュアルで認知を取りに行くイメージ。
情報が溢れすぎている今、「見慣れた画像」はもう見られません。
Canvaだけで動画広告も普通に作れる
動画素材がないブランドでも、正直なんとかなります。
Canvaの「素材」→「動画」のところで、
・プロテイン
・ダイエット
・coffee
・workout
みたいなキーワードで検索すると、使える動画がわんさか出てきます。
ここに、
-
ChatGPTで作った「30秒動画の台本」
-
各シーンに対応した短いテキスト
-
Canva内のフリーBGM
を組み合わせれば、それっぽい動画広告は普通に作れます。
特に、
・コーヒー
・お茶
・肉
・日用品
みたいなコモディティ商品は、「世界観+コピー」で見せる動画がかなり効きます。
「手元に素材がないから動画は無理」と諦めるのは、単純にもったいないです。
最近のメタ広告、「勝手にやりすぎ」問題
ここからは、最近のメタ広告の“やばい挙動”の話を少し。
勝手にAIアニメーションされて、人間じゃなくなった話
あるお客さんの案件で、腹圧ベルトの広告を作りました。
・デッドリフトをしている人が
・お腹にベルトを巻いて
・「腹圧で記録が変わる」みたいな訴求
の静止画を使っていたんですが、
ある日それが勝手にアニメーション動画に変換されていました。
問題はその内容で、
・本来曲がらない方向に手首が曲がっている
・もはやホラー映画みたいな動きになっている
完全に「呪われたお化け」状態。
当然、即止めました。
どうやら、
・バナーを勝手に動かす
・文字をゆらゆらさせる
みたいな機能が暴走すると、こういう事故が起きるっぽいです。
勝手にリンク先が「商品一覧」に飛ばされる問題
他にも、
・ちゃんとLPのURLを入稿しているのに
・広告をタップすると商品一覧ページに飛ばされる
みたいな現象も起きています。
設定のどこがトリガーになっているのか、正直まだ完全には掴み切れていませんが、
少なくとも言えるのは、
「メタの新機能や自動最適化に、あまり期待しない方がいい」
ということです。
「効果◯%向上します」系のチェック項目は、基本全部無視でOK
管理画面を触っていると、
-
「これをオンにすると効果が◯%向上します」
みたいなポップアップやチェック項目が、メタでもGoogleでも出てきます。
正直に言います。
あれは全部無視でOKです。
もちろん、100%悪いとは言いません。
ただ僕の体感では、
・推奨どおりにオンにして「良くなった」ケースより、
・せっかく調子良かった広告が崩壊したケース
の方が圧倒的に多いです。
検証する時間と手間を考えると、
・あの手の「AIおすすめ設定」はいじらない
・その代わり、自分で見たい指標とルールを決める
こっちの方が、スモールビジネスでは圧倒的に合理的だと思っています。
指標の感覚値と、クリエイティブ・LTVの話
最後に、指標の話を少し。
サロンメンバーさんから、
動画の場合、CTRとコンバージョンレートはどれくらいなら合格ですか?
という質問をもらいました。
ある方の例だと、
・動画CTR:3%
・CVR:5%
これ、全然合格ラインどころかかなり良いです。
僕のところは正直そんなに良くなくて、
・CTR:2〜2.5%(ひどいときは1%切ったら止める)
・Shopify上のCVR:2〜2.5%程度
数字だけ見ると「効率いいです!」とは言えないレベルです。
それでも回していけているのは、
・LINE・メルマガ・YouTubeなどでナーチャリングし続けている
・「この人から買っておけば間違いなさそう」と思ってもらえる土台を作っている
からです。
要するに、
・新規のCPAだけ見たら高い
・でもその後のLTVで回収して、ちゃんと利益が残る設計になっている
ここまで含めて運用しているイメージです。
だからこそ、
・クリエイティブの質(とにかく数を回す)
・それと同じくらい、自分のコンテンツ発信と信頼の積み上げ
この2本柱で考えた方がいいと僕は思っています。
まとめ:休むときはちゃんと休む。回すなら「仕組み」を決めて任せる
今日のポイントをざっくりまとめると、
・1.5か月完全に休むなら、広告はスパッと止める
・出荷と対応ができるなら、ASCを少額で「細く長く」
・素材はCanva+スマホで十分。
ただし「他社が絶対選ばなそうな画像」を探して差別化する
・動画もCanvaで0から作れる。ChatGPTに台本を作らせればなお楽
・メタやGoogleの「これをオンにすると効果◯%向上」は、基本全部無視でOK
・新規のCPAだけじゃなく、LTVと自分の発信もセットで見ていく
こんな感じです。
「自分が止まると全部止まる」状況は、メンタル的にもビジネス的にもリスクが大きいです。
だからこそ、
・止めるときは思い切って止める
・動かすときは「最低限のルール」と「仕組み」を決めて任せる
この2段構えで考えてみてください。
