展示会でポスター1枚貼り替えただけで、名刺交換の枚数が3倍になったことがある。
しかも、やったことは「デザインをカッコよくした」とかじゃない。たった一言、コピーを変えただけ。
僕は、当時特徴的なデザインの
ボクサーパンツのブランドの販売してた。
派手なボクサーパンツなのに
人が止まらないブース。
セクシー寄りにもいけるし、ちょっと笑える感じにも振れる、扱いやすい商材。
そのボクサーパンツをバイヤーさんに見つけてもらうために展示会に出たんだけど、初日は全然人が立ち寄らなかった。
人は通る。
一瞬こっちを見る。
でも、足が止まらない。
ポスターには、ちゃんと商品写真もある。
モデルがはいてる、いかにも「メンズアンダーウェアブランドです」って感じの、王道なビジュアルも用意してた。
でも、反応が薄い。
名刺交換の枚数を数えてみて、「あ、これたぶん元取れないな…」ってなって、焦った。
そこからA3サイズのポスターをその場で鬼のように量産した。Photoshopでデザインだけ変えまくったものを、会社のプリンターで印刷しまくり、お客様の顔を見ながらポスターを何回も変えた。
「これぞ王道だろ」みたいなカッコいい系
「ポップ寄りで親しみ路線」みたいなライト系、いろいろ貼り替えてみたけど、空気が変わらない。
みんなブースの前は通る。
でも、立ち止まらない。
目線は一瞬こっち向くけど、
そのままスルー。
この瞬間、はっきりわかった。
あ、デザインいじっても“理由”がなきゃ人は止まらないわ。
名刺交換数3倍にしたコピー。
そこで、開き直って振り切ることにした。
商品の説明もブランド名も一回捨てる。
ど直球で、人の頭の中にイメージがバーンと浮かぶ言葉だけを置いてみようと思った。
そこで作ったのが、この一言。
「親父が色気づいてきた。」
────────
酔っぱらいみたいなおっさんの写真とセットで、そのコピーをデカデカと1枚だけ、めちゃ見えやすい位置に貼った。
商品のことは、
そのポスターには一切書いてない。
どんな素材かもどこのブランドかも、
どこにも説明してない。
このポスター1枚で、
名刺交換が“3倍”に跳ねた
バイヤーさんたちが通りかかる。
派手なボクサーパンツにチラッと目がいく。そのまま視線がコピーに止まる。
「親父が色気づいてきた」
一瞬、間があって、ふふっと笑う。
ニヤッとしながら、こっちに近づいてくる。
「これ、どういう意味なんですか?」
「どんなパンツなんですか?」
そこから会話が始まる。
会話が始まれば、こっちのもんで、商品説明もブランドストーリーもちゃんと聞いてもらえる。
結果、名刺交換の枚数は前日のざっくり3倍くらいまで一気に増えた。
同じ場所、同じ商品、同じ人間。
変えたのはポスター1枚と、その上に載せた“言葉”だけ。
この体験から痛感した「言葉のヤバさ」
このとき理解した
デザインがどれだけ整ってても
商品がどれだけ良くても
熱量を持っていても
「一瞬で人の脳を引っかく言葉」がないと、そもそもスタートラインに立てない。
展示会の通路を歩いているバイヤーは、こっちの事情なんて一切知らない。
「頑張って作ったんです」とか「原価が高くて…」なんて、どうでもいい。
目に入った0.5秒で、
「なんだこれ?」と思わせられるかどうかだけが勝負なんだなと。
そのスイッチを押すのが、コピーであり、ポスターであり、「たった一言」だったりする。
ECも同じ
「言葉なしでは何も始まらない」
この経験は
今のECやプロテイン販売にも丸ごとつながってる。広告の1行目にどんな言葉を入れるかにめちゃくちゃこだわる。
言葉が刺さった瞬間、人は勝手に近寄ってくる。
「詳しく教えてください」って言ってくれる。
その入口さえ作れれば、中身の良さはちゃんと伝わる。
ポスター1枚、
コピー1行で、
世界は普通に変わった。
言葉の力って本当に面白い。
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