正月ボケの頭で、あえてモールの話をする理由
まだお休みモードの方も多いと思いますが、2026年もゆるっと配信しつつ、聞かれたことには真面目に答えていきます。
今日のテーマは、ずばり 「モールって最近どうなの?」 という話。
ここで言うモールは、ほぼ Amazon と 楽天 のことだと考えてください。
・モール販売、これからどうしていけばいいのか
・その前提として、自社サイトを伸ばしたい人は何を優先すべきか
このあたりを、僕自身のこの10年の経験と、周りのプレイヤーたちの話を元に、かなりハッキリめに言語化しておきます。
結論から言うと、
「自社サイトで売れる商品を作りつつ、Amazonでも楽天でも“同じ熱量”で売るのは、ほぼ無理。」
です。
この前提を飲み込めるかどうかで、2026年以降の動き方がだいぶ変わります。
自社サイトとモールは「役割」が違う。そこをごちゃ混ぜにするな
よくあるパターンがこれです。
・自社サイトを立ち上げる
・すでに楽天・Amazonにも出店済み
・「自社サイトを伸ばしたいので教えてください」と相談
・自社サイトに広告を回し、ページも整え、CVが出始める
・すると、モール側の売上も勝手についてくる
ここまでは最高です。
問題はこの後。
モールの売上が動き始めると、だいたいみんなこう言います。
「Shopifyだけでこんなに売れるなら、Amazonと楽天もちゃんとやりたいです!」
ここで僕がはっきり言うのが、
「いや、それは無理です」
という一言です。
なぜモールの売上は「おこぼれ」でしかないのか
自社サイトのプロモーションを頑張ると、こういう流れが起きます。
1. 自社サイトの広告や発信でブランドを知る
2. 商品の世界観に共感する
3. 「でも決済はAmazonや楽天のほうが安心だからそっちで買いたい」と考える
4. わざわざモールで商品名を検索して購入
つまり、
「モールの力で売れている」のではなく、
「自社サイトの集客の“受け皿”としてモールが機能しているだけ」
なんです。
だから、
「モール上で新規のお客様を大量に獲得してブランドを広げたい」
「自社サイトと同じくらい、モール単体でも売れるようにしたい」
という発想に対しては、はっきり言います。
自社サイトの商品を、そのままAmazon・楽天でも“本気で”伸ばそうとするのは、コスパが合わない。
本気でやるなら、モール専用の商品設計と戦略が必要になります。
モールの本質:お客様は「比較する」前提でやってくる
自社サイトとモールの決定的な違いはここです。
自社サイト
→ コンテンツやストーリーを読んで、「このブランドいいな」と思ってから買う
→ その場で比較せずに、そのまま買う人が8割くらいいる感覚
モール(Amazon・楽天)
→ 「メンズ アウター 40代」「プロテイン ダイエット 初心者」みたいなカテゴリー検索が入口
→ 商品ありきではなく「ジャンルありき」
→ 検索結果の中から、当たり前に比較して選ぶ
比較される環境では、何がフックになるか。
ほぼ間違いなく、
「値段」と「スペック」
です。
・値段が高ければ負ける
・スペック(容量・成分・付加価値)が見劣りすれば負ける
自社サイトのように、
「こだわり」「思想」「世界観」を時間をかけて伝える前に、一覧画面でふるいにかけられる。
ここが、モールの一番きついところです。
大手が資本をぶっ込んだ世界で、小規模が戦う意味はあるか
ここ10年で起きた変化はシンプルです。
昔:
→ ノンブランドでも、うまく穴場カテゴリを見つけて
→ 仕掛ければ何百〜千万単位で売れる時代があった
今:
→ 大手が本気で参入し、数千万〜数億単位でAmazonに投資
→ しっかりしたマーケチーム&支援会社を抱え、
PR枠・広告・レビュー施策・価格調整までフル武装で攻めてくる
その結果どうなったか。
「小規模事業者が、ちょっとした穴を見つけて一気に売上を取る」というルートは、ほぼ閉じている。
もちろん、
ニッチジャンルでうまくハマって、月数百万〜数千万売ってる人もまだいます。
でもそれは “再現性の高いやり方”ではない し、
「今からゼロで参入する人」におすすめできる世界ではなくなりました。
じゃあ、楽天・Amazonはやる必要ないのか?
ここは勘違いしてほしくないポイントです。
「モールがオワコン」
という話をしたいわけではありません。
僕のスタンスはこうです。
・自社サイトが主戦場
・モールは「受け皿」として存在させるべき
そして順番としては、
1. やるなら Amazon → 余力があれば楽天
2. 自社サイト売上の 10〜20%くらいモールで売れたら御の字
3. 自社とモールを「5:5」レベルまで揃えようとするのは、労力に見合わない
楽天を勧めにくい理由もはっきりしています。
・初期コスト・固定費・イベント対応など、前出しのコストが重い
・セール企画・ポイント施策・楽天側の営業に振り回されがち
・管理画面や仕様が「2026年のプラットフォーム」として正直しんどい
もちろん、昔から楽天でガッツリ戦ってきた老舗店舗にとっては、今も主戦場です。
でもこれから始める小規模事業者にとっては、
「楽天で頑張る前に、自社サイトを整えた方がいい」
というのが僕の結論です。
自社サイトからモールに送客するな。リストを手放すな
たまに見かけるのが、自社サイトに
「Amazonはこちら」
「楽天はこちら」
みたいなバナーをベタっと貼っているパターン。
僕はこれ、基本的にやめた方がいいと思っています。
理由はシンプルです。
・自社サイトで広告を打ち、コンテンツを作り、せっかく見込み客を連れてきた
・その人が 「自社で買ってもいい状態」 にいる
・そのお客様を わざわざモールに送る = 自社の顧客情報を捨てる 行為
モール経由の注文は、
・メールアドレスも満足に使えない
・LTV向上のための施策(ステップメール、LINE誘導など)も打ちにくい
要するに、
「自社の資産にならない売上」 です。
もちろん、
・どうしてもモール決済じゃないと不安な人
・普段の買い物を全部Amazonに集約したい人
こういう人たちは、自分で勝手に検索して買います。
その2割の人のために、わざわざデカデカとモールバナーを貼る必要はない、という考え方です。
モールで「最低限」やっておけばいいこと
「じゃあ具体的に何だけやっておけばいいの?」という話をまとめます。
1. 商品登録とスペック情報
・商品名
・商品説明(AIで書かせた最低限のスペックでも正直十分)
・画像数も、完璧を目指さなくてOK(本気でモール攻略するなら別)
これだけでも、自社サイト経由のおこぼれで普通に売れます。
僕自身、最近の検証で「ちゃんと作り込んでなくても売れる」ことは確認済みです。
2. 自社ブランド名でのキーワード広告(最小限)
・Amazonなら「スポンサープロダクト」
・自分のブランド名・商品名で検索したときに、ちゃんと上位表示されるようにする
カテゴリワードでガチ勝負するのではなく、
「自社のプロモーションで指名検索されたときに、確実に見つかる状態」
ここだけ押さえておけば、十分役割は果たしてくれます。
モール全盛期はもう終わった。これからは「思想」と「ニッチ」を掘る時代
ここまで話してきた内容を、もう少し俯瞰して見るとこうです。
・モールの全盛期は小規模事業者にとってはすでに終わった
・SNSやプラットフォーム頼みで“抜け道”を探す時代も終わりつつある
・大手も小規模も、同じ土俵で戦うようになった
じゃあ、小さなECはどうするのか。
・狭いカテゴリーを選ぶ
・自分の思想・哲学をちゃんと打ち出す
・その世界観に共感してくれる人とだけ深く付き合う
ここに戻るしかないし、
実はそれが 一番メンタル的にも経営的にも健全 だと僕は思っています。
コラム:作業スピードが速い人と遅い人の決定的な違い
ここからは、配信の後半で話した「時間の使い方・型づくり」の話です。
モールの話とも地続きなので、ざっと触れておきます。
1. 僕は「やらないこと」が異常に多い
よく「作業スピードがえげつない」と言われますが、
何かすごい才能があるわけではなくて、シンプルに
「やらないことを決めまくっている」
だけです。
・過去の検証から「これはやっても意味がない」をどんどんストック
・そのラインをバチっと引く
・だから「自分の型」の外には手を出さない
これはモール戦略にもそのまま当てはまります。
・「モールも本気、自社ECも本気、SNSも全部本気」
→ 一見ストイックに見えて、実はただの器用貧乏になりがち
だったら、
「自社ECが主戦場。モールは受け皿だけやる」
くらいに思い切って切った方が、結果的に売上も利益も残ります。
2. ツール操作は「ゲーム」として最短ルートを探す
・子どもの頃からタイピングゲームにハマっていた
・キーボードを叩く・システムをいじるのが完全にゲーム感覚
だから、ShopifyでもCanvaでもLINEでも、
「どうやったら最短距離で目的地までたどり着けるか」
だけをずっと考えています。
ここで大事なのが、
・「自分がやりたい方法」に固執しない
・「ツールやシステム側の構造」を理解して、その中で最適解を探す
という姿勢。
「これができないのはおかしい」と感情的になる時間が、一番ムダです。
3. 習慣はモチベーションじゃなくて「負荷設計」で決まる
ダイエットも、ECも、習慣化の構造は同じです。
・いきなり「毎日5km走る」と決めるから続かない
・最初は「30分歩く」くらいでいい
・21日、できれば63日続けられる負荷で設計する
仕事も同じで、
・毎日15分だけ管理画面を開く
・毎日1商品だけデータを見る
・毎日1つだけ数値改善の仮説を立てる
これぐらいから始めた方が、
結果的に 3ヶ月後の自分がとんでもなく変わります。
まとめ:モールに夢を見るな。自分の土俵で勝つ準備をしよう
最後に、今日の話を雑に一行でまとめると、
「モールは“主戦場”ではなく、“受け皿”。
自分の土俵(自社サイト)で勝つ覚悟を決めよう。」
ということです。
・モールで一発逆転を狙う時代は終わった
・小規模事業者は「思想」と「ニッチ」で勝負するしかない
・そのためには、やることを減らし、型を作り、淡々と習慣化する
2026年、モールとの付き合い方に悩んでいる人は、
一回 「どこを切るか」「何を主戦場にするか」 を真剣に決めてみてください。
