EC事業者が本当に「共通してやるべき」たったこれだけのこと
「Shopifyでおすすめのアプリは?」「SNSは何から始めればいいですか?」
サロンでも毎日のように聞かれる質問です。
ただ、正直に言うと──
EC運営において“誰にでも当てはまる正解”なんて、ほとんどありません。
商材、カテゴリー、ブランド、そしてオーナー本人が何をやりたいか。
それによって、やるべきことも優先順位も全て変わるからです。
とはいえ、それでも
「ここだけは全EC事業者が“絶対”に押さえておいた方がいい」
という共通タスクは存在します。
今日は、商品ができていて、これから自社ECを構築する人を前提に、
僕が提案している「ゼロ→1、1→10に伸ばすための全体フロー」を、順番に整理してお話します。
STEP1:ブランドの「独自性」と「具体性」を1500文字で言語化する
SNSでも広告でも、その前に絶対にやってほしい最初のタスクがあります。
自分のブランドの独自性と具体性を、
1000〜1500文字のテキストにまとめること。
・自分のブランドは何者なのか
・他社と何がどう違うのか
・どんな思想・哲学・ポリシーで運営しているのか
これを、人に説明できるレベルまで言語化してください。
どうやって書けばいいの?
おすすめのやり方はシンプルです。
1. 友達や第三者、もしくはAI(ChatGPTやGemini)にこうお願いする
「私のブランドについて深掘りの質問をたくさんしてください」
2. その質問に答える形で、ボイスレコーダーにひたすら喋る
・省略せず、思っていることを全部話す
3. 音声を文字起こしし、AIに
「このブランドの独自性と具体性が伝わるように1000〜1500文字に整理して」
と依頼する
4. 出てきた文章を、自分の言葉に修正・加筆して仕上げる
これを飛ばして、いきなりInstagramや広告に行ってしまう人が多すぎます。
その結果、手法論だけで一時的に売れても、必ずどこかで頭打ちになります。
だからこそ、最初の一歩は「ブランドを言語化すること」。
ここをサボると、後から必ずツケが回ってきます。
STEP2:商品ページに「1500文字」の情報量を載せる
次のタスクは商品ページづくりです。
ありがちな失敗はこれ。
・写真だけやたらオシャレ
・説明文はちょっとだけ
・「これくらい書いとけば伝わるでしょ」で止まっている
これでは売れません。
目安として、1商品ページに最低1500文字。
STEP1で言語化した「独自性と具体性」を、商品レベルに落とし込んで書いてください。
・なぜこの商品なのか
・どういう悩みを持つどんな人に向けて作ったのか
・どのポイントが他社と違うのか
・どんなストーリー・背景があるのか
アパレルでも雑貨でも、テキスト量が少ないブランドはだいたい売れていません。
「写真だけで伝わる」は幻想です。
STEP3:トップページにも「ブランドと商品の情報」を丸ごと載せる
商品ページができたら、次はトップページです。
ここも多くの事業者が勘違いしています。
トップページ=一番PVが多いページなのに、
なぜか一番情報量が少ない。
「シンプルでおしゃれ」に振り切りすぎて、何も伝わっていないトップページが本当に多いです。
やることはシンプルです。
・STEP1で作ったブランドのポリシー・思想
・STEP2で作った商品の具体的な説明
これらをトップページにも載せる。
レイアウトやデザインの正解はありません。
ただし最低限、
「よそと何が違うのか」が
トップページだけ読んでも分かる状態
ここまでは必ず作ってください。
STEP4:決済手段を「クレジットカードだけ」で終わらせない
サイトと商品ページが整ったら、次のボトルネックは決済です。
Shopifyをそのまま使っていると、
最初はクレジットカードしか使えない状態になっているケースが多い。
これはハッキリ言って、受注率を自分で下げています。
何を追加すべきか
・銀行振込
・コンビニ前払い
・スマホ決済
・PayPay(これは“絶対”入れてほしい)
など、現金系の決済手段は必ず増やしましょう。
月額費用が重い決済代行もありますが、
**手数料のみで使える「Komoju(コモジュ)」**のようなサービスを使うと、
スモールビジネスでも導入しやすいです。
ECサイトの「仕組み」を整える=
サイト+商品ページ+決済手段までセット。
ここまでできて、ようやくスタートラインです。
STEP5:かご落ちメールを必ずONにして、LINEに“逃がす”
まだあります。
Shopifyを使っているなら、必ず設定してほしいものが2つあります。
1. かご落ちメール(Abandoned Checkoutメール)をONにする
2. そのメールの文面を「LINE導線」付きに書き換える
おすすめの文面イメージはこんな感じです。
「お買い物の途中で離脱されたようです。
もしご不明点や不安な点があれば、
公式LINEから店主に直接ご相談ください。」
ここにLINEへ飛ぶボタンを付けておく。
これで何が起こるか?
・かご落ちユーザーがLINEで質問してくれる
・そのタイミングで友だち登録も増える
・不安や疑問を解消した上で、購入に進んでもらえる
「かご落ちメールをONにしていない」は論外。
「ONにしてるけど、ただの定型文」の人も、今日中に直してください。
STEP6:LINE公式アカウントと1対1コミュニケーションの設計
スモールビジネスのEC事業者であれば、
LINEはほぼ必須だと僕は思っています。
理由はシンプルで、
お客様と1対1でDMのやり取りができる唯一の場所だから。
やるべき最低限
・LINE公式アカウントを必ず作る
・Shopifyなら「チャッティ(Chatty)」などのアプリで
1対1の問い合わせフローを用意する
・挨拶メッセージに自社ECへのリンクを必ず載せる
・リッチメニューにもトップページや人気商品への動線を入れる
よくあるダメなパターンは、
・挨拶メッセージが長いだけでリンクがない
・リッチメニューが何も設定されていない
・「結局、どこから商品ページに戻ればいいの?」状態
これ、ただ気が利いてないだけなので、すぐ直しましょう。
ステップ配信やシナリオ設計は好みですが、
僕のところでは例えば、
・登録翌日に「なぜ登録してくれたのか?」を聞く
・数日後に「ダイエット状況を教えてもらえればアドバイスします」と送る
・おすすめコンテンツを定期的に流す
など、「会話」と「信頼」が生まれるような設計にしています。
STEP7:ここまで整えた“あと”で、やっと集客の話をする
サイト・商品ページ・決済・LINE・かご落ちメールまで整えたら、
やっと集客フェーズです。
ここで、いきなり
「売上目的の広告をドン!」
は、基本おすすめしません。
例外:クラファンで300万円クラスの実績がある場合
・クラウドファンディングで300万以上売れている
・そのページがすでに「強いLP」として完成している
このケースに限っては、
そのクラファンページの構成を自社ECに移植して、広告をかけるのはアリです。
実際、これで何社も成功しているのを見てきました。
実績ゼロなら、まずInstagram運用から
クラファン実績も知名度も何もない場合。
僕がいつもおすすめするのは、
まずInstagram運用を徹底すること。
・ターゲットにとっての「便益」を整理する
・商品情報だけでなく、その周辺の業界知識やライフスタイル情報も発信する
・とにかく「役に立つアカウント」になることを目指す
ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、
オーガニック投稿だけでは、ほぼ売れないという前提。
だからこそ、
1. 自分でも「これは有益だ」と思う投稿
or いいね・再生数が伸びた投稿を選ぶ
2. その投稿をInstagram広告に出す
3. リンク先は商品ページではなくプロフィール
これでアカウントへの流入を増やし、
フォロワーとの接点とデータを貯めていきます。
そのうえで、
「なぜこのアカウントをフォローしてくれましたか?」
とDMで聞くと、2〜3割はちゃんと返事をくれます。
ここで泥臭く関係を作ることが、後の広告効率を劇的に上げてくれます。
「広告=いきなり告白」は、もう通用しない
データも関係性もゼロの状態で、
いきなり売上目的の広告を打つのは、
「友達でもない相手に、
会っていきなり『付き合ってください』と言う」
のと同じです。
コンバージョンしなさそうですよね?って話です。
・何度も投稿を見てもらう
・DMでやり取りをする
・相談に乗る
・役立つ情報を渡す
その積み重ねの結果として、
やっと「この人から買おう」にたどり着きます。
競合が少なかった昔は、
雑なLPと広告だけでもなんとかなりました。
でも今は、どんなカテゴリーでも競合だらけです。
だからこそ、
人としての信頼と、ブランドとしての独自性を
丁寧に積み上げた人だけが、選ばれていきます。
ABテストを10万クリック単位で回せるような
大規模予算がないスモールビジネスは、
「人と関係性」で勝負した方が圧倒的に合理的です。
プロダクトで勝つか、人で勝つか
月商1000万クラスを目指すなら、
とんでもなく強いプロダクトが必要です。
ただ、正直言うと、
「ヒット商品のプロダクト開発」は
再現性がほぼない世界です。
・徹底した市場調査
・事前アンケート
・モックを作ってテスト広告を回す
・CPAを見ながら本生産に踏み切るか判断する
これを何度も回せる人だけが、
プロダクトアウトで大きく伸ばせる。
僕自身は、そこまでのプロダクト開発能力はないと自覚しています。
だから僕は、
「人」で売る/人で選んでもらう
という戦略を取っています。
・月商100〜300万規模なら、人で十分戦える
・1人1人のお客様との関係性を深くすることでLTVを高くできる
どちらを目指すかは自由です。
ただ、自分がどっちのタイプなのかは早めに決めた方が、戦い方がはっきりします。
まとめ:今日挙げたタスク、全部やってますか?
最後に、今日の内容をざっくりタスクに落とします。
1. ブランドの独自性・具体性を
1000〜1500文字で言語化する
2. 1商品あたり1500文字目安で商品ページを作る
3. トップページにもブランドと商品の情報をしっかり載せる
4. 決済手段をクレカ以外(銀行振込・コンビニ・スマホ・PayPayなど)に拡張する
5. かご落ちメールをONにし、LINEへの導線付きで文面を作り直す
6. LINE公式アカウント+1対1のやり取りフローを整え、ECサイトへの導線を必ず設置する
7. ここまで整えた上で、Instagram運用と広告で認知と信頼を積み上げる
もし、この中で「やっていないもの」があれば、
そこが売上のボトルネックになっている可能性が高いです。
全部やり切れば、
・まだほとんど売れていない人が月5〜10万円の売上を作る
・すでに売れている人は底上げがかかる
そのくらいのインパクトは、普通に狙えるナレッジです。
「やるべきことは全部やった」と言えるところまで、
一度、徹底的にやり切ってみてください。
