ミネルヴァスリープの出口さんが語る町工場ECのリアル 260117

ミネルヴァスリープが短期間で伸びた理由

― 出口さんとの対談から見えた、成長の構造 ―

ミネルヴァスリープは、ウレタンフォームの製造を本業に持つ出口さんが立ち上げた睡眠ブランドです。
2025年には、YouTuberヒカルさんとの複数回のコラボや「通販の虎」への出演をきっかけに、ブランド単体で年商約4.4億円(税込)規模まで成長しました。

今回の対談では、「有名YouTuberに紹介されたから売れた」という単純な話ではなく、
そこに至るまでの判断・行動・運営の積み重ねが非常に具体的に語られていました。

以下は、その内容を要点ごとに整理したものです。

1. 成長の起点は「向こうから来た話」ではない

まず重要なのは、ヒカルさんとの接点は待っていて生まれたものではないという点です。

出口さんは、

・ヒカルさん本人へのDM

・動画概要欄からの問い合わせ
を何度も行い、最初は一度断られています。

それでも、

・商品を送り

・営業資料を作り

・反応がない期間も動きを止めず
最終的に「枕なら使う」という判断を引き出しています。

ここで重要なのは、
案件化を“交渉”として捉えていることです。
紹介されるかどうかを運に委ねるのではなく、
「どうすれば相手が動くか」を前提に動いている点が、最初の分岐でした。

2. PR施策は「不確実」である前提で設計されている

YouTuberや番組系のPRは、スケジュールも条件も流動的です。

実際に、

・急な数量依頼

・前提が固まらないままの進行
といったことが頻繁に起こります。

出口さんはこの不確実性を「異常」とは捉えず、
PRはそういうものだと割り切った上で最優先にするという判断をしています。

ここで大切なのは、
「やりたいかどうか」ではなく、
売上インパクトに対して合理的かどうかで意思決定している点です。

3. 爆発的な露出は、運営の弱点を一気に表に出す

初回出演時、動画公開直後から注文が集中しました。
一方で、当時のミネルヴァスリープはEC運営に慣れておらず、

・出荷作業は手入力

・予約販売の設計も未整備
という状態でした。

その結果、

・納期に関する問い合わせが増加

・運営負荷が一気に上昇
します。

ここから見えるのは、
「売れること」と「回せること」は別問題だという現実です。

急成長のタイミングでは、
マーケティング以上にオペレーションの耐久力が問われます。

4. クレームの正体は「質」ではなく「母数」

インフルエンサー経由の購入者については、
「クレームが多そう」という印象を持たれがちです。

しかし実際には、

・大半は良識的な顧客

・問題になるケースは全体のごく一部
という状況でした。

これはファン層の問題ではなく、
購入者数が増えれば、一定数は必ず発生するという構造の話です。

誠実な対応を前提にしていれば、
必要以上に恐れるべきものではない、という整理ができます。

5. インフルエンサー施策は「誰でも同じ結果」にはならない

対談では、別のインフルエンサーに商品を提供したものの、
ほとんど反応がなかった事例も語られました。

ここから分かるのは、

・知名度がある

・登録者数が多い
だけでは成果は出ない、という点です。

重要なのは、

・コンテンツとして“見られているか”

・視聴者が行動する文脈があるか
です。

ヒカルさんのケースは、
視聴時間・熱量・信頼の蓄積が揃っていたため、
紹介がそのまま購買に繋がった例だといえます。

6. 次のフェーズは「自社で資産を積み上げる」

広告費の効率が下がっていく中で、
出口さんが次に取り組んでいるのが自社メディアの強化です。

具体的には、

・YouTubeで検索を取りにいく

・商品のFAQや使い方を動画化する

・それを広告や切り抜き素材として再利用する

これは、
一度作ったコンテンツを長く使う設計であり、
少人数運営にとって非常に現実的な戦略です。

7. 横動画を軸にするという判断

動画形式については、

・横動画をベースにする
という考え方が共有されました。

理由は、

・40代以上の視聴者は横動画を好む傾向がある

・横動画は縦にも切り出せる
ためです。

流行っている形式に合わせるのではなく、
自分たちの顧客に合った形を選ぶという判断が一貫しています。

8. 商品そのものが支持されているという事実

最後に触れておきたいのは、
ミネルヴァスリープの商品設計です。

三浦自身、枕に強い悩みを持っていたわけではありませんが、
使用してみて「頭の位置が安定する」という明確な体感がありました。

・中反発ウレタンによる支え

・通気性を補うための多数の穴加工
など、製造背景に基づいた設計が、
使用感として素直に伝わる商品になっています。

まとめ

ミネルヴァスリープの成長は、

・粘り強い交渉

・不確実性を織り込んだ判断

・急成長に耐える運営の修正

・一過性で終わらせない資産構築

これらが段階的に積み重なった結果です。

「有名人に紹介されたから売れた」のではなく、
売れる条件を一つずつ整えていった結果、波を掴めた
そう整理するのが、いちばん正確だと僕は感じています。

 

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