今日の本題はTikTok Shop。2ヶ月前にも話題にしたけど、今回は参加者の反応を見ても“気になってる人が増えてる”空気感が濃い。
ただし前提として、TikTokって個人的に見て楽しいSNSというより、やる側(売る側)としての難易度が高いSNS。
テンションも必要だし、演者として向き不向きがハッキリ出る。
「自分は絶対向いてない」「YouTubeの方が好き」みたいな正直な感覚も、むしろリアルだ。
TikTok Shopの「数字の比較」は雑に信じると痛い
日経クロストレンド等でTikTok Shopの数字が話題になったが、数字の切り取りだけで「厳しい」「終わった」は判断が早い。
比較対象(Yahooや楽天など)との前提条件も違うし、メディアの“見せ方”に引っ張られると、思考が止まる。
重要なのはここ。
「で、現場では何が起きてるの?」
この問いに答えるには、運用してる人の一次情報が一番強い。
セラー(店舗)アカウントで売るのは難しい。だから“個人メディア”が効く
高松さん側の実践が面白い。
・まずはセラー(ブランド)アカウントで投稿 → 売り込み感が強くて回らない
・ライブも試す → 難しくて伸びない
・そこで発想を変えて、個人クリエイターアカウント(メディア)を別で立ち上げ
・アフィリエイトで他社商品も紹介しつつ、時々自社ブランドも混ぜる
ポイントはここで、TikTokは
**「バズるフォーマット」と「売るフォーマット」**が別物。
さらにTikTok Shopの管理画面では、
売れてる動画・売れてる導線・クリエイターの傾向がかなり見える。
つまり、根性論じゃなく研究→型化→量産ができる土壌がある。
“フォロワーが多い=売れる”ではない。むしろ逆がある
ここも現場感が強い。
TikTok Shopでは、フォロワーが多いキラキラアカウントが勝つとは限らない。
売るために最適化された投稿が刺されば、無名でも売れる。
ただし、これは希望とセットで現実もある。
・1本目が8万再生→売れる、みたいなことも起きる
・でも次が続かず右肩下がりも普通にある
・「初心者優遇」っぽい挙動もあるが、再現性は読みにくい
結局、TikTokは“当たり”が出るまでの試行回数が必要で、
動画を作り続ける体力がない人には厳しい。
TikTok Shopは手数料7%。ただ今は“3ヶ月3%”などの条件も
手数料の話も現実的。TikTok Shopは手数料が高め。
ただ、条件次第で期間限定の優遇がある。
とはいえ、手数料の話より重いのは次の論点。
リピートやLTVは「まだ追えない」。だから“今は割り切り”になる
「TikTok Shopでリピート取れるの?」
この問いに対しては、現状は厳しめ。
・そもそも管理画面に分析機能が揃っていない
・追いたくても追えない
・将来的に改善される可能性は高いが“今は未整備”
だから判断軸はこうなる。
TikTok Shopで儲けに行くというより、
動画制作を通じてオーガニックの筋力を鍛える価値が大きい。
“TikTokやって良かった”の結論:オーガニック力が爆上がりした
この対談のいちばん前向きな着地がここ。
TikTokで揉まれると、
・企画力が鍛えられる
・伸びる/伸びないが露骨に出る
・「広告って楽だったんだ…」と痛感する
・結果、広告で無双できる強いクリエイティブが量産される
つまりTikTokの価値は、アカウント資産よりも
**“コンテンツ制作スキルの資産化”**にある。
顔出しやキャラが強くなくても、手元・構成・見せ方で勝てる。
(ただし美容など領域によっては“手元のキャスティング問題”は出る)
伸びる題材は強い。商品ジャンルの“求心力”は残酷なくらい差が出る
コストコ試食の例えが刺さる。
一風堂の試食は行列、でもセノビックは捌けない。
この差は努力不足じゃなく、商材の求心力差。
SNSでも同じで、
・伸びる商品
・伸びない商品
は、わりと残酷に分かれる。
健康食品やプロテインは、どうしても不利になりやすい。
だからこそ「入口商品(ドアノック)」設計が重要になる。
TikTokと著作権:結論、TikTokの音源は危ない。CapCutは使い方次第
編集ツールの現実論も出た。
・CapCutは便利。触ればできる
・商用利用は「編集機能」はOK寄り
・ただしCapCut内素材・音源はグレーが混ざる可能性がある
・さらにTikTok投稿時に付ける“流行り音源”は商用だと基本アウト寄り
この辺は「みんなやってる」では守ってくれないので、
やるなら最低限のルール意識は必要。
それでも三浦が今熱いのは「Google×ブログ×動的検索」
後半は三浦側の近況。
結論、TikTokの動画にテンションが上がらない一方で、
Googleの地道な運用(除外・精査・低予算での探索)をやっている。
特に面白いのが、
・ブログを大量に置く
・動的検索広告(DSA)が想定外のキーワードで拾う
・ブログ経由で信頼が積み上がり、購入につながる
「ケトジェニック」「クレアチン」「女性の鉄分」みたいなキーワードで
ブログに飛び、そこから買われる動きが出てきている。
テキストはAIで量産できる。
さらに音声入力→AI整形で、記事制作の負担は落ちる。
結局、**読むか読まれないかは“タイトル”**が握っている。
拡大を止めた理由:利益が残らない成長は最悪。だから“LINEのセグメント運用”へ
ここがECの人に一番効くパート。
・四半期で見れば2億が見える伸び方はした
・でも利益が残らない
・根本原因は「新規獲得コストが高すぎ」
そこでやり直したのが、
・LINE配信のセグメントを超細かく切る
・100人規模に送って5人買えば十分インパクトが出る
・F1(初回客)を取りにいき、F2に上げる設計に寄せる
・「購入後4〜5日以内」に教育を厚くする
さらに、
バターコーヒーのような“入口商品”がLTVを押し上げる仮説も見えてきた。
プロテインは入り口として重い。
だからドアノックで入ってもらい、コミュニケーションで次を買ってもらう。
派手じゃない。地味。でも強い。
2026年が怖いなら、こういう足腰の運用が生存確率を上げる。
まとめ:TikTok Shopは「やる/やらない」より、“自分の勝ち筋”を選ぶ話
この対談で出た答えはシンプル。
・動画体力があるなら、TikTok Shopは挑戦価値がある
・ただしTikTok単体で夢を見ると危険(分析も未整備)
・でも“オーガニックの修行”としては最強クラス
・文章・検索・LINE運用が得意なら、そっちで勝てる
・結局、向いてる土俵を選ぶのが一番強い
やるなら、覚悟して量を出す。
やらないなら、迷わず別の勝ち筋を磨く。
中途半端が一番しんどい。これは間違いない。
