「コンセプトが決まらない」「広告の訴求軸がいつも同じになる」
この相談、めちゃくちゃ多いです。
でも結論はシンプルで、言葉が抽象的になるのは“言い回しのセンス不足”じゃない。考えの解像度が低いだけです。
そして、その解像度を上げる最短ルートは「自分の頭をひねること」ではなく、お客様を深掘りすることです。
1) 言葉が出ない人の9割は「言語化能力」ではなく「お客様理解」が足りない
言語化が得意な人は一部(体感2割)。残り8割は、普通に言語化が得意じゃない。
じゃあその8割がどうすればいいかというと、やることは1つで、お客様の解像度を上げることです。
言葉を作ろうとして沼る人ほど、「存在しないペルソナ」を想像してコピーを作りがち。
でもそれ、売れません。理由は簡単で、共感が生まれないからです。
2) ヒアリングは「理由を聞け」じゃダメ。必ず2分割する
お客様に「なんで買ったんですか?」って聞くだけだと、だいたい失敗します。
なぜなら「買った理由」は1つじゃなく、最低でも 2つの行動に分かれるから。
絶対に聞くべき2つ
1. なぜ自分たちを認知したのか?(どこで知ったのか)
Instagram?Google検索?X?TikTok?紹介?
2. なぜ購入を決断したのか?(なぜ財布を開いたのか)
価格に納得した理由は?信頼したポイントは?不安が消えた瞬間は?
ここを取れないと、訴求軸は一生フワッとします。
3) 「ブランド側が考えたキャッチコピー」はだいたい価値が薄い
強い広告コピーは、基本的に**お客様の言葉の“再編集”**です。
お客様が「認知→検討→購入」を進めた過程には、リアルな感情があります。
その感情は、共感を生みます。だから売れます。
逆に、運営者が憶測で作った言葉は「それっぽい」だけで刺さらない。
費用対効果が悪い広告になるのは、ここが原因です。
4) 売上が少ない時ほど「新規を追うな。既存に聞け」
たとえば売上10万円でも、客単価7,000円なら15人、5,000円なら20人います。
答えを持ってる人が既にいるんですよ。
なのに多くの人は「次の新規施策」に走る。
違います。まずやるのは、15〜20人に“買った理由”を徹底的に聞くことです。
5) 「返信が来ない」は当たり前。そこで止まるのが一番もったいない
「メルマガ送ったけど返ってこない」
これ、当たり前です。むしろ返ってこないのが普通。
大事なのは、接触頻度。営業と同じです。
1回だけ聞いて諦めるのは、努力じゃない。
・3回、4回と丁寧にお願いする
・返信しやすい形にする
・それでも返らないなら、別の導線(LINE/電話/DM)も試す
“答えをもらう”ところまでやって初めて「お客様理解に取り組んだ」と言えます。
6) 返信率を上げるコツ:オープン質問をやめて、クローズド質問を混ぜる
「何か質問ありますか?」は、相手の負担が重い(オープンクエスチョン)。
返信率を上げたいなら、Yes/Noや選択式に寄せる(クローズドクエスチョン)。
例)
「発信は役立ってますか?(はい/いいえ)」
「どこで知りましたか?(Instagram / 検索 / 友人 / その他)」
「買う決め手はどれですか?(価格 / 信頼 / 実績 / 悩みの一致)」
“答えやすさ”を設計すると、返信は増えます。
7) 実例:訴求軸は、お客様の一言から生まれる
たとえば「断食プロテイン」という言い方も、運営側の思いつきではなく、
「断食の時にこのプロテインが効率いいと思った」というお客様の言葉が起点。
こうやって、訴求軸は“現場の声”からしか育たない。
だから、コンセプトに悩むなら、まずやるべきは「聞くこと」です。
8) ついでに:メタ広告の予算の上げ方(結論:ドンでもOK、ただCPAは上がる)
質問にあった「いきなり10倍にしていいのか?」ですが、結論、上げてOKです。
よく言われる「20%ルール」に縛られすぎなくていい。
ただし、覚えておくことが1つ。
予算を上げれば上げるほど、CPAは基本上がる
→ 購入しない層にも配信が広がるから。
おすすめのやり方はこれです。
1. まず2倍〜10倍で上げてみる
2. CPAが合わなくなったら少し下げる
3. “ちょうどいい予算帯”に落ち着かせる
あと「同じ広告を10本回すべき?」は、正直ケースバイケース。
手間をかけるより、1キャンペーンで予算を伸ばすのも全然アリ。
ただ、複数訴求が作れる商材なら、訴求別に分けて試す価値は高いです。
まとめ:コンセプトと言葉の答えは「自分の頭」ではなく「お客様の中」にある
言葉が出ないのはセンスの問題じゃない。
お客様理解が足りてないだけです。
だからやることは明確で、次の2つを取りにいく。
・なぜ知ったのか?(認知)
・なぜ買ったのか?(決断)
そして、1回で返事が来なくても当然。
接触頻度と質問設計で、答えを取りにいく。
ここまでやれば、コンセプトも訴求軸も、驚くほど勝手に固まってきます。
